月何日働いて、いくら収入を得ている?

シルバー人材センターの会員はどれくらいの頻度で働き、いくらほどの収入を手にしているのでしょうか。

同センターで派遣として就労している会員のひと月あたりの平均就業日数は7.3日、1日およそ4時間就業しています。平均月収は約3万円。会員の働き方には、月10日程度まで、また週20時間程度を超えないことを目安とする厚生労働省で定められたルールがあります。現役世代と同じように働いて、現役世代の仕事を奪ってしまうような構図になるのを避けるためです。

ただ、地方は深刻な人手不足です。発注者から現役世代と同じようにもっと働いてほしいという要望が数多く寄せられた結果、平成28年4月に高年齢者等の雇用の安定等に関する法律が改正され、派遣と職業紹介に限り、都道府県知事が指定した地域・業種・職種は、週40時間を上限として働けるようになりました。規制緩和されたことで環境が整い、「今後は企業への派遣業務が増え、就業時間が伸びるのに伴い、会員の収入も増えていくでしょう」と福島さんは予測します。

もっと稼ぎたいけど、フルタイムの仕事は気が引ける

シルバー人材センターの会員は、もともと定年後に自分の経験を活かして地域や社会に貢献したいという人たちの集まりです。必ずしも生活に困窮した人が働き口を求めて訪れるところではありませんでした。しかし、近年は「もう少し経済的にゆとりある暮らしをしたい」「健康寿命が延びているから」「孫に何か買ってあげたい」といった理由でもっと働いて収入を増やしたいという人が増えてきているといいます。

とはいえ、今まで何十年も働き続け、やっと仕事から解放された退職後にハローワークで仕事を斡旋してもらい、再び本格的には働くのは気が引けると考える人は少なくありません。ハローワークを通じて就業した企業との間には雇用関係が生まれ、拘束時間が長くなったり、給与の額によっては年金が支給停止となる場合もあるからです。

内閣府の調査では、経済的な暮らし向きについて「心配ないと感じている」と回答した60歳以上の高齢者は全体の64.6%を占めます。一方で、34.8%は今後の暮らしについて「家計にゆとりがなく、心配だ」と回答。“老後破産”という言葉が話題に上るように、支給される公的年金だけでは足りず、生活に困窮する高齢者は後を絶ちません。

定年後も、働きたい人が働きたいだけ働ける。退職後の仕事に求められているのは、「高齢者だから」といった枠にとらわれない、多様な働き方ができる場所なのかもしれません。

<文:編集部 土屋舞>