子育て

1月から始まる中学受験、イマドキの出願校数の平均は?

数字から読み解く中学受験:連載第三回

捨て金も入れると受験にかかる費用は…

<モリの目>(森上展安)

出題校数7校前後という数字はタカの目さんが指摘しているように17万5,000円くらいの支出をこの時期準備しておかなくてはならないということですし、場合によっては入学金20万~30万円程度の"捨て金"も必要ということになります。

入学金というのは正確には入学手付金ともいうべき性格と理解されていて、社会通念上、入学権を留保するための権利金と思われていますから、入学手続きをしなかったから返金してほしいとはいえないお金だということです。もっともそれを争って返金を勝ち取った保護者もいないではないようにも聞きますから断言はできません。加えて入学時寄附金も任意ですが求められます。

埼玉、千葉の受験生の地元志向が強まっているワケ

出題時点の7校が実際の受験校数に近いのは、2月入試が主となる東京・神奈川の受験生です。一方、出題校数より受験校数が少なくなりがちなのが千葉、埼玉など1月入試のある県の受験生になります。

それは1月の頭に入試があって、そこで合格すると2月の東京、神奈川の入試は出願しているけれども受験しないという地元志向が強まっているからです。

これも懐具合から考えると至極当然で、親の年収で制限はありますが、埼玉、千葉の県民の私立高校就学支援金は「県内の」私立高校に通学する生徒の家庭にしか支払われません。

ただし、東京だけは他県の高校に行っても支払われます。そのような仕組みになったのはこの数年で、高校3年間のことを考えれば埼玉、千葉の県民は県内の私立中学、ひいては高校に合格すれば進学した方がよいと考えるインセンティブを与えられています。

それはまた、保護者生徒の側だけでなく、学校側も今は高校からの上位入学者が減少傾向ですから、中学入学者を増やすことに熱心にならざるを得ません。

その事情はむしろ上位校に顕著で、高校受験の上位生は公立共学高志向が強いため、例えば埼玉県立浦和一女などトップ女子公立高校でも不合格者が少なくなっており、その併願先の女子校である淑徳与野も高入生は以前ほどではありません。数年前、千葉でも東邦大東邦が高校募集を止め中学募集一本に絞りました。

つまり埼玉、千葉の私立は、高校募集中心から中学募集中心に切り替えやすい上位校ほど中学募集を積極化し、合格者数を増やす傾向にあります。

県立中高一貫校を希望する層も1月に受かれば2月まで引っ張らない

もう一つ埼玉、千葉の私立受験生の受験校が減少する理由は、適性検査型入試の増加があります。県立中高一貫校が相次いで開校するのに合わせ、私立でも適性検査型入試を行う私立中学が増えています。

この受験層は勿論公立志向ですが、やはり同じような適性検査型の入試をしている私立で合格をもらえば、そしてそれが特に特待扱いであれば他を受けません。

勿論、公立に受かれば行きますが高倍率なので不合格前提での受験ですから、私立適性検査型入試で合格をもらえばもともと地元志向でもあり、入学手続きを取り2月入試まで引っ張りません。

東京、神奈川の受験生はあくまで2月が本番

一方で東京、神奈川の受験生は、この出願者数と受験者数は同じくらいだろうと思います。埼玉、千葉の難関校である栄東や渋幕などは東京、神奈川からの受験生が5割くらいは占めるのではないでしょうか。まずは1月校の有名校進学を確保して2月の入試に臨もうとします。

さらにいえば、特に東京の私立中学の中難度のいわばボリュームゾーンに大学系列の共学校が増えているため、今度の入試では4、5倍より高い倍率になる中難度の共学校が多くなりそうです。

今までとはかなり違って高い倍率ですから、塾でも近年ではこうした経験がないため結果的に不合格者が増え、進学先を求めて受験校数も増える可能性があります。

受験は「ドンドンよく鳴る法華の太鼓」スタイルで!

入試はハードですから2日目3日目でも相当疲れますし、まして午後入試なども受験するとなると心身ともにタフでも疲れは溜まります。したがって受験の鉄則は「ドンドンよく鳴る法華の太鼓」というようなスタイルをお勧めしています。

つまり、受験校数が何校にもなるようなら、ドンドン「合格」を決めて次々と受験して合格を勝ち取っていくスタイルです。そのためには受けて合格をもらい易いところから受験をスタートして、次第に難しいところへチャレンジしていくという併願作戦です。

実際にはあつらえ向きに学校があるとばかりは限りませんから、ともかく早く合格を決め、一安心した上で難関に挑戦させましょう。避けたいのは難度が同じようなところばかり受験していつまでも不合格で5日6日まで受験を引っ張ることです。

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