住まい

50代で直面した「自宅の築30年問題」、建て替えか、住み替えか

みんなの住宅相談:第3回

22万組以上の住宅選びの相談に応えてきたスーモカウンターが、住まいの悩みに答えるシリーズ。今回は、住宅・不動産総合サービス「SUUMO」の田辺貴久・副編集長がお答えします。


夫55歳、妻55歳の夫婦です。今は都心部まで電車で1時間ほどのベッドタウンの一戸建てに住んでいます。結婚後すぐに買った家で、夫婦と息子の3人暮らしだったのですが、息子は最近結婚して出ていきました。


現在の家は築30年になるのですが、当時は断熱性をあまり意識していなかったので夏の暑さや冬の寒さが厳しく、作りも古いので家の中の段差も多く、これから先ずっと住み続けるのは難しいだろうと、建て替えを考え始めました。


家と土地は将来、息子に引き継ぐつもりだったのですが、どうやら通勤にもそれほど便利ではないこの場所が欲しいと思っていない様子。息子は都内にマンション購入を考えているとのことで、「親父もこの家を売って、都内に引っ越したら?」なんていうのですが、言われてみるとそれも悪くないと思っています。


ちなみに、建て替え費用として使えるのは貯金の2,500万円です。この年齢で改めて家を考えるとしたら、建て替えとマンション購入、どちらがいいのでしょうか。


【相談者プロフィール】
・本人:夫(55歳・会社員)、妻(55歳・専業主婦)
・家族:夫婦2人(息子は独立)
・現在の住居:持ち家一戸建て(住宅ローン完済)

田辺: ご相談ありがとうございます。今回は50代での建て替えや買い替えを考える際に注意しておきたいポイントを見ていきましょう。

予算は「現金+年金で支払える額」に

住宅を購入する場合、一般的には住宅ローンを35年で組みますが、相談者の場合は年齢も50代ということで、住宅ローン頼みになると、たとえば年金で生活するようになった場合に、返済が生活費を圧迫するようになってしまいますので要注意です。

スーモカウンターに相談にいらっしゃる50代のお客様は、自己資金の範囲内での建築・購入を検討される方や、年金でも無理なく支払いと生活ができる返済額に抑えるケースが多いです。

年金の受給額、生活に必要な金額から毎月の支払額を設定したうえで、返済期間から「借入可能額の上限」を決めましょう。自己資金をすべて住宅費用に充てるのもリスクがあるので、そのうち頭金に回す額と借入額を足した額で、予算を決めましょう。

“得られる暮らし”で住居タイプを選ぼう

予算が決まったら、次はどんな物件を選ぶかです。相談者は建て替えとマンションと悩んでいるようですが、特に相談者のような場合のそれぞれのメリットを簡単にまとめました。

【注文住宅】
○ 買い物、ご近所など、住み慣れた環境を変えずに暮らせる
○ 土地の購入が不要なため、総コストは低く抑えられる
○ 高気密、平屋など、今のニーズに合わせたり、こだわりの家にできる
× 建て替え中に仮住まいが必要になる
× 子供の世帯が遠方の場合は、なかなか会えない
× 今の住所が買い物や通院などに不便な場合は、それは解消できない

【マンション】
○ 息子の近くに住める。特に孫ができた場合は子育ての協力も可能
○ ワンフロアでフラット、鍵1つでセキュリティも高く安心して暮らせる
○ 立地条件によっては、今より生活・通院など生活利便性が高まる
× 今の住居を売却する必要がある(賃貸することも可能)
× これまでのご近所付き合いや、住み慣れた環境から離れることになる
× 物件価格を完済した後も、管理費・修繕積立金がかかる

特にマンションを買う場合、今の家の売却額に、冒頭で計算した予算を足した額が、購入目安額になります。ただし新築マンションの場合、完成・入居は1年以上先になるケースもあるので、だいたいの売却目安額やタイミングを見誤らないようにしたいものです。

50代以降の買い替えの場合は、特に今の住まいがいくらで売却できるのか、借り入れや自己資金をどのくらいに設定するかなど、個別事情により判断が変わるもののため、一概に「こういう選択が良い」とは言い切れないものです。ファイナンシャルプランナーに、リタイヤ後の生活コストや資産について相談するのがおすすめです。

スーモカウンターにご相談いただくと、一般的には費用のかかるファイナンシャルプランナーへの資産相談が無料でできる特典があるため、今後の住宅計画と資産計画を同時に考えるにはおすすめです。


50代以降で住み替えた方が皆さん口をそろえるのが、たくさんのモノの整理や引っ越しが大変だった、ということ。住居にこのまま住み続けることはなく、いずれにしても住み替えを考えるのであれば、考え始めるタイミングは早いに越したことはありません。

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