これまでの連載2回で投資を始めるにあたっての心がけや注意点を紹介しました。今回からは投資について具体的な話を書いていこうと思います。

投資には、様々な金融商品があり、その種類は毎年増えていっています。どの金融商品を選択するのかは、それぞれの目標や性格などにもよって変わってくると思いますが、今回は個人投資家の中でも最も多いであろう兼業投資家(本業とは別に投資をする人)が有効活用している投資信託の基礎知識をまとめます。

難しい言葉も出てくるかもしれませんが、極力わかりやすい言葉で補足説明しますので、じっくり読んでみてください。


卵は一つのカゴに盛るな

投資の世界では投資格言と呼ばれるものがたくさんあります。その中でも有名なものに「卵は一つのカゴに盛るな」という格言があります。

これは一つのカゴに卵を全て盛って運んでいた場合、もしカゴを落としてしまったら運ぶ予定だった卵を全て割ってしまいます。一方で、複数のカゴに分けて卵を運んでいれば、仮にカゴを落としてしまっても、割れてしまうのはそのカゴに持っていた分だけであり、全ての卵は無駄にならないという意味です。

つまり、投資に充てる予定のお金をAという企業の株式に全部投資した場合、そのお金はA社と運命共同体となってしまいます。仮にA社の粉飾決算が公表されたり、倒産したりすると、投資をしていたお金も全てなくなってしまうリスクがあります。日本の株式市場だけを考えても、この10年間で絶対に大丈夫だと思われていたような大企業の株価が不祥事や業績悪化を機に急落した例は数多くあります。

そこでリスクを分散させるために、複数の企業の株式や、株以外の金融商品、国内だけでなく海外の資産にも投資をするなど、投資対象を複数に分けることが重要です。このように複数のものに投資することを「ポートフォリオを組む」といいます。

国際分散投資のツール

投資をしていく上で、重要なことはリスクを管理することです。しかし、実際には将来を確実に予想することはできないので、リスクを管理すると言っても容易ではありません。

そこで、ポートフォリオを組んでリスクを分散して調整する訳ですが、投資する株式を1社のものだけではなく複数社のものにしたり、株式だけでなく債券やREIT(不動産投資信託)など、その他の金融資産に投資したり、投資対象の国を複数に分けるのも重要です。

例えば、日本の株式だけでなく、米国の株式や新興国の株式などに投資するということです。つまりグローバルにポートフォリオを組む、このような投資手法を「国際分散投資」といいます。

しかし、個人投資家が自分で国際分散投資をしようとすると、かなり手続きが面倒だったり、無駄にコストがかかることも。そもそも、それなりの資金力がないと実現できません。そこで登場するのが、「投資信託」なのです。

投資信託であれば、1つ購入すれば既に国際分散投資がされているものもありますし、日本の中小型株式やアジアの株式、米国企業の社債など、様々な種類もあります。現時点では個人投資家が簡単に購入できる投資信託は6,000本以上存在します。