はじめに

損失は初心を振り返るための糧になる

このような失敗を起こさないために、まずはあなたが何のために投資を始めたのかという点を振り返ることが重要です。生活費の足しになればいいという思いであったり、億万長者として成功するという思いであったり、様々だと思います。

そして、今の行動は、その目的に対して整合性がとれているかを確認しましょう。生活費の足しにする目的であるにもかかわらず、損失を埋め合わすために値動きの荒い新興株式に投資したり、信用取引で大きなポジションを建てたりしていないでしょうか。

そのような状況になっている場合は、一旦ポジションを閉じて、そのお金で美味しいものを食べ、家族やお世話になった人にプレゼントを買ってあげるなど、自分や他人のために何か行動してみてはいかがでしょうか。そうすることで本来の目的に関して気づきが得られるかもしれません。5,000円もあれば十分です。普段、口座内で変動する金額と比べたら、たったこれだけで思ったよりたくさんのことができることに驚きを感じるかもしれません。

人生設計を行う上で、必ずしもお金は幸福と直結するといえません。あのメキシコ人漁師のように何が幸せかということを知っていれば、無謀な投資行動をとることも必然的になくなり、投資家としての成長も期待できます。投資で損失を抱えてしまったときには、常に何が自分の目標かということを振り返ることで、新たな成長が見込めるのではないでしょうか。

<文:Finatextグループ 1級ファイナンシャル・プランニング技能士 古田拓也>

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