はじめに
教育費はいくらかかる?進路別に教育費を試算
では、実際にかかるお子様の教育費について見ていきましょう。ご質問では、ご相談者様のお子様の教育費について、どの学費がご心配かわからなかったので、次の4つに分類してみました。(1)中学校・高校・大学をすべて公立の場合、(2)中学校と高校が公立、大学のみ私立の場合、(3)中学校のみ公立、高校と大学が私立の場合、(4)中学校・高校・大学すべて私立の場合です。
お若いのに投資額を含め、現在1800万円もの金融資産をお持ちなのは素晴らしいです。これを前提に、収入(53万円)や基本生活費(38万円)、貯蓄高(1800万円)は変わらず、学費だけが増額すると仮定します。その際のお子さんが大学を卒業するまでの貯蓄残高を見ていきましょう。なお、学費のデータは、文部科学省が平成24年に調査した「子どもの学習費調査」を元に計算しています。
(1)「オール公立」の場合
中学から大学までオール公立(国立)の場合、学費は合計で521万円かかります。その時の貯蓄高は1823万円です。仮に5年間ごとに200万円ずつ繰り上げ返済しても400万円ですから、貯蓄残高は1423万円になります。これを16年間、1%で運用すると1718万円、3%で運用すると2465万円となります。
(2)「中学校・高校公立、大学私立」の場合
中学校・高校が公立、大学が私立の場合の場合、学費は合計で780万円かかります。その時の貯蓄高は1567万円となります。仮に5年間ごとに200万円ずつ繰り上げ返済しても400万円ですから、貯蓄残高は1167万円になります。これを16年間、1%で運用したら1480万円、3%で運用したら2284万円となります。
(3)「中学校公立、高校・大学私立」の場合
中学校が公立、高校・大学が私立の場合、学費は合計で954万円かかります。その時の貯蓄高は1393万円です。仮に5年間ごとに200万円ずつ繰り上げ返済しても400万円ですから、貯蓄残高は993万円になります。これを16年間、1%で運用したら1297万円、3%で運用したら2082万円となります。
(4)「オール私立」の場合
中学校・高校・大学が私立の場合、学費は合計で1206万円かかります。その時の貯蓄高は1141万円です。仮に5年間ごとに200万円ずつ繰り上げ返済しても400万円ですから、貯蓄残高は741万円になります。これを16年間、1%で運用したら1024万円、3%で運用したら1763万円となります。
以上のことから、キャッシュフローから考えると、学費と住宅ローンの繰り上げ返済を同時に行っても、家計は黒字となり、さほど問題はないと思われます。貯蓄残高1800万円が効いています。もし、お子様の夢が、お医者さんで私立の医学部に進学したいとなったり、芸術家で有名なピアノの先生のレッスンを受けたい等になったときは、教育費のバランスを考え直すといいでしょう。
お金が増えれば選択肢が増える
まずは、お子さんが将来何になりたいかという夢を聞き、応援して、できる範囲で援助する。この順番がいいでしょう。
さらに、ご相談者様の場合は、お子様が中学校入学まで7年あるので、それまでにさらにお金を殖やすこともできますね。その際は、つみたてNISA、ジュニアNISAなど非課税枠のあるものを上手に使われると、より効率的にお金を殖やすことができます。また、学資保険もいいと思います。お金が増えることにより、お子様の夢の選択肢も増えてきます。お子様の夢が見つかり、実現できるといいですね。がんばってください!