はじめに

記事数差が示唆する為替相場の先行き

昨年は1月前半から4月前半までは連続して円高超でした。記事数差が最も「円高超」になったのは3月前半で89でした。その後、3月後半が期間平均1ドル=105円91銭と、昨年一番の円高になりました。

しかし、4月後半から11月前半までは連続して円安超でした。記事数差が最も「円安超」になったのは10月前半で37でした。その後、11月前半が期間平均1ドル=113円52銭と、昨年一番の円安になりました。

その後、12月前半で8ヵ月ぶりに円高超の記事数に転じました。記事数差は7でしたが、12月後半でその幅を広げ、37の円高超になりました。12月前半に記事数が円高超になったことを受けて、12月前半の期間平均1ドル=113円17銭、12月後半の期間平均1ドル=111円12銭の後、ついに今年1月前半は期間平均1ドル=108円56銭になりました。

1月前半の記事数差は36の円高超で12月後半と同程度の記事数差になりました。しばらくドル円レートは1ドル=100円台後半中心の推移となりそうです。

なお、内閣府「企業行動に関するアンケート調査」(2018年1月調査)の全産業の採算円レートは、大企業の実数値平均で1ドル=100円58銭、中堅・中小企業では1ドル=106円38銭なので、微妙なところに近づいてきてはいますが、全体としてみてまだ採算がとれる水準にはあります。今後の為替レートの動きは要注視の局面です。

初詣の人出減が示すものとは?

為替などのマーケットは年初から波乱の展開となりました。しかし、身近なデータは依然として景気の基調がしっかりしていることを示唆するものが多い状況です。

正月3が日の初詣の人出はやや減少しました。正月3が日の初詣の人出が多い神社・仏閣は、警察庁が最後にランキングを発表した2009年では1位が明治神宮、2位・成田山新勝寺、3位・川崎大師、4位・伏見稲荷大社でした。2010年以降、伏見稲荷大社は人出数を数えていません。

初詣の人出数は天候などさまざまな要因に左右されますが、バブル崩壊後に顕著だったように不景気には「苦しい時の神頼み」的要因で初詣の人出数が増える傾向があります。2019年の正月での上位3ヵ所の初詣人出の合計数は936万人で、天候が良かったにもかかわらず、昨年の938万人から2万人減少しました。「苦しい時の神頼み」的な参拝客が減った可能性があります。

なお2019年は、これまで1位を続けてきた明治神宮が312万人と昨年の317万人から減少し、昨年312万人で2位だった成田山新勝寺が314万人で1位になりました。成田山新勝寺では外国人の参拝者の増加も寄与しているようです。一方、明治神宮は元旦に発生した竹下通りの自動車暴走事件の影響もあったのかもしれません。

1月4日には、日本最大のプロレス団体である新日本プロレスが毎年恒例の東京ドーム大会を開催しました。メインイベントであるIWGPヘビー級選手権試合では、棚橋弘至が王者のケニー・オメガを破って4年ぶりにチャンピオンベルトを巻きました。金曜日にもかかわらず、観客数は3万8,162人で、アベノミクス景気の拡張期間に当たるこの7年間では最大の観客数を記録しました。

東京・豊洲市場では1月5日朝、昨年10月の開場後初めてとなる「初競り」が行われ、278キログラムの青森県大間産本マグロが、記録の残る1999年以降で最高値となる3億3,360万円(1キログラム当たり120万円)で競り落とされました。2013年に付けたこれまでの最高値(1億5,540万円)の約2倍の高値で、足元の景気の良さを示唆する数字といえるでしょう。

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