予想を正しく活用するには、複数の予想が必要

リスクをコントロールする上では、自分の判断とは逆に何円くらい株価が変動すると致命的なのかという要素が重視されます。そのため、現在“買い”を行なっている場合、“売り”予想の方がむしろ重要になります。

実績のある複数のアナリストの予想株価を株価チャート上に配置してみましょう。すると、予想株価の範囲を浮かび上がらせることができます(下図)。

図の緑色の部分は、強気予想または弱気予想で指摘されている出来事が発生したときに、この範囲のなかで株価が推移する可能性が高いということになります。

例えば現在価格が500円の株式を買うという判断をした際には、少なくとも弱気予想の下限値である400円まで株価が下落しても資金管理上問題がない数量のポジションに留めた方がいいかもしれない、ということがわかります。逆に、利益を確定する場合には、600円近い水準を目安にするのが理想的でしょう。

ただし、想定外のリスクにも備える場合は、300円もしくはそれ以下の水準でも堪えうるポジションにまで減らすことが望ましいといえます。想定外のリスクとは、それぞれの予想が想定している前提事実を超える事情が発生することを指します。

例えば、予想の根拠が会社業績の場合、これまで明らかになっていなかった損失が発覚することで、予想の根拠が過去のものになってしまうという例が挙げられます。また、予想が公開されてから時間が経過すると前提事実とのズレが大きくなる可能性があるため、参考とする情報が新鮮かについてもチェックする必要があります。

1つの予想にこだわると、どうしても損切りが疎かになり塩漬けになるということが起こりがちです。そのようなお悩みをお持ちの方は、自分と逆の予想もあえて取り入れることで、上手に資金を確保しながらチャンスを伺うという方法を参考にしてみてはいかがでしょうか。

<文:Finatextグループ 1級ファイナンシャル・プランニング技能士 古田拓也>