はじめに

「携帯電話料金は4割下げられる余地がある」――。昨年8月の菅義偉官房長官の“値下げ発言”以来、激震が続いている通信業界。

NTTドコモが「2~4割値下げとなる新料金プラン」の導入を予告したほか、今年10月には楽天が“第4のキャリア”として参入するなど、業界にとって2019年は激変の年となりそうです。

そうした中、2014年に発表したイオンスマホで「格安スマホ」ブームの火付け役となり、2016年にMVNO(仮想移動体通信事業者)サービスに参入したイオンモバイルが、MVNO参入3周年を記念した新たな一手を打ち出しました。

利用者にとっては、どのくらいおトクになるキャンペーンなのでしょうか。2月6日に開かれた新サービス発表会の内容から、探ってみたいと思います。


月額基本料金は780円から2980円

「3周年を記念して、大変お得な新サービスをご用意しました」――。発表会の冒頭、イオンリテールの井関定直・イオンモバイル事業部長は、こう宣言しました。

2月15日から5月7日までの期間限定で展開する、3周年キャンペーン。「春得」と銘打って、3周年の「3」にちなんだ、さまざまな企画を実施します。

目玉は、25歳以下の新規ユーザーを対象とした「3年学割」。契約日から3年間、月額料金は据え置いたまま、データ容量が1GB(ギガバイト)増量になるというキャンペーンです。

対象となるのは、音声通話とデータ通信がセットになった「音声通話プラン」、音声通話に加えて家族と通信容量をシェアする「シェア音声プラン」、データ通信のみの「データプラン」の3つ。ここに3GB、5GB、7GB、9GBという4つの通信容量をかけ合わせて、合計で11の料金体系となっています(シェア音声プランのみ、3GBがない)。


「3年学割」の料金体系は11種類

最安料金は、データプランの3GBで月額780円(税別、以下同)。最も高額な料金だと、シェア音声プランの9GBで同2,980円となっています。

親世代の“声”を企画内容に落とし込む

3年学割の直接的な利用者は25歳以下の若年層ですが、今回の企画化にあたってペルソナ(典型的なユーザー像)として意識したのが「新しく中学生になる子供を持つ親」だといいます。

イオンモバイルが昨年12月30日から今年1月31日までイオンの店頭で男女651人に実施したアンケートによると、40代以上の37%が「子供の携帯電話料金は月額いくらまで?」という質問に対し、「3,000円未満」と回答しました。今回の料金設定も、この調査結果を参考にしたそうです。

また、同じアンケートで「子供のスマートフォンを購入する際に重視すること」として、「本体価格と通信料金でいくらになるか」「学割などの特典の有無」「フィルタリング機能が設定できるか」という3つの回答が上位を占めました。今回のキャンペーンでは、これらのすべてについて特典を用意しました。


「料金」「学割」「フィルタリング」を重視する声が多かった

学割は前述した「3年学割」ですが、本体と通信料トータルの料金については「学割スマホセット」を準備。エイスースの「Zenfone Live L1」、シャープの「AQUOS sense lite SH-M05」、ファーウェイの「nova lite 3」の3機種が、学割セット料金で利用可能です。

イオンモバイルの井関事業部長によると、この3機種のうち、中学生にオススメなのがエイスース。中学生の手にすっぽりとはまるサイズでありながら、画面は5.5インチで見やすいのが特長。バッテリーは大容量で、キッズモードの利用制限機能が付いており、「ペルソナに最適なスマホ」(同)といいます。

ほかにも、18歳未満が携帯電話を契約する際に義務化されているフィルタリング機能を含めた「子どもパック」(月額150円)が、最大3ヵ月無料で利用できる特典も用意しました。子供が中学生になって、初めてスマホを持たせるという親世代にとっては、うれしいキャンペーンといえそうです。

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