はじめに

一括返済するなら、奨学金が先か、自動車ローンが先か

家計の支出削減策のひとつとして、やはり奨学金の一括返済などが話題に上ると思いますが、少々待ってください。家庭の支出の中には、もうひとつ、早めに返済したいローンがあります。自動車ローンです。そのローンとの金利の比較をしてみましょう。

自動車ローンの利息は、ディーラーで組んでいたら利息は5%ほどはつくでしょうし、銀行だったら3%前後でしょう。業者により異なるのではっきりとは言えませんが、概ねこの程度だと思います。

対して奨学金の利息は0.1~1%ほど。利息を払うのがもったいないと考えると、明らかに自動車ローンの方を先に返したほうがよいです。月の支払額だけを見ると、奨学金のほうが支払い期間も長いですし、早くなくしてしまいたいという気持ちもわかりますが、やはり利息を多く払っている方を優先していくべきです。

いったん自動車ローンの返済を早めにして、終わったら奨学金の返済を急いでいくという方法でもよいのではないでしょうか。奨学金は一括で完済しなくとも、住宅のようにお金が貯まったら繰り上げ返済していくこともできます。

借金は早く返したいものですが、ここはどれを先に返すとお得かを考えて、賢くやっていきましょう。

支出削減で浮いたお金はきちんと貯蓄を

貯蓄の理想額はというと、まず生活を順調に回すための「使う貯蓄」として、月の生活費の1.5ヵ月分を準備し、別の口座に生活防衛資金のための「貯める貯蓄」を生活費の6ヵ月分を用意することが最低限必要だと思っています。教育費など近い将来に必要なお金は、また別に貯める必要があります。

これを考えると、現状の支出が少し削減して50万円で暮らせるとしたら、「使う、貯める」貯蓄で合計7.5ヵ月分、つまり375万円がないと生活は不安な状態といえます。もし、支出を削減して生活費が40万円で済むようになると、蓄えのスピードが増しますし、必要な蓄えは300万円で済むことになります。あとは教育費など必要資金の貯まり具合を見ながら、ローンを組んでいるものを早々に返済していけば、一番間違いのない家計のやりくりとなります。

今年は秋に幼児教育の無償化もはじまりますから、保育料の負担もずいぶん軽くなると思います。ローンの返済についてはご夫婦のご判断によるところもありますが、お子さんもいるので、生活に負担をかけず、安定した状態で返済できるよう、まずは支出の削減から取り組んでいただけたらと思います。

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