はじめに
中高生のいるご家庭では、お子さんの受験シーズンを終えたばかりの方、今まさに真っ只中という方も多いと思われます。
子どもたちはもちろんのこと、親であるミドル世代も、子どもの体調管理や受験とその後の進路を視野に入れた経済面の準備に、忙しい日々を過ごす人が多いのではないでしょうか。
また、ミドル世代の親にあたる祖父母にも、孫の体調を気にしながら日々を過ごしている人が少なくないと思われます。中にはそっと合格祈願のお参りをしたり、入学祝いの準備をし始めている祖父母もいるかもしれません。
今回は、第一生命経済研究所が祖父母世代を対象に行ったアンケート調査から、孫の将来に対する祖父母の意識についてのデータをご紹介します。
中高生の孫がいる祖父母の8割が孫の将来を考えることが「ある」
全国の孫がいる55~74歳の祖父母1,000名を対象に行った当研究所のアンケート調査によると、「孫の将来」について考えることがあると答えた人は63%を占めます(図省略)。
また、孫の教育に「関心がある」と答えた人は71%とこの割合を上回り、初孫の学齢別にみた場合、中高生の祖父母では8割を超え特に高くなっています(図1)。
祖父母にとってはじめての孫が中高生になる時期は、孫の教育への関心が高まる時期だと考えられます。
図1 孫の教育に関心があるか(全体、性別、孫の学齢別)
※注:調査方法はインターネット調査、調査時期は2014年11月
※出典:第一生命経済研究所「子世帯とのコミュニケーションに関する調査」
中高生の初孫には「健康、体力」とともに「学力、知識」を期待
このように、祖父母にとって初孫の将来や教育はとても関心の高いテーマです。しかしながら、孫にもっと身につけてほしいと思うことをたずねた結果をみると、最も多くあげられたのは「体力、健康」(44%)で、2位以下の「思いやり、優しさ」(29%)や「学力、知識」(26%)を大幅に上回りました(図2)。
初孫の学齢別にみた場合、中高生の祖父母では「学力、知識」(32%)をあげた割合が「思いやり、優しさ」(24%)を上回って2番目に多くあげられています。高校受験や大学受験等を迎えるこの時期の孫に「学力、知識」を身につけてほしいと願う祖父母心がうかがえます。