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なぜバレンタインデーは“株価が上がりやすい”のか

過去14年で平均0.68%の株高に

2月14日はバレンタインデーです。1960年代末から1970年代にかけて女性の心をとらえて徐々に盛り上がり、今では女性から男性へ愛の贈り物としてチョコレートを贈る日ということで幅広く認知されています。

近年は「告白の日」というだけでなく、「感謝の日」という形での広がりもみられます。職場などでは自粛の流れもありますが、“義理チョコ”や友人同士で贈りあう“友チョコ”、自分へのご褒美の“自分チョコ”などまで耳にするようになりました。最近では、男性から女性にチョコレートを渡すケースも増えつつあるようです。

このように国民的なイベントであるバレンタインですが、株式市場でとても興味深い現象がみられます。それは「バレンタインデーの株価は高くなりやすい」というジンクスです。この「バレンタイン効果」について、データで確認してみましょう。


バレンタインに株価が上がるメカニズム

毎年のバレンタインデーの日経平均株価の騰落率を計算して、それを1980年から2018年までの間で平均したものが、表1の一番上の行の0.20%です。より近年の傾向を見るため、2005年以降の期間に絞って平均騰落率を見ると0.68%となり、値が一段と高くなっていました。

なぜバレンタイン効果が起きるのでしょうか。

バレンタインデーに感謝の気持ちが表れたチョコレートを受け取ると、気持ちがポジティブになる方も少なくないでしょう。また、チョコレートを渡す人も、確かに出費はありますが、感謝を表して相手の気持を明るくさせることで、自分の気持ちが明るくなったりもします。もしかしたら、もっと良いお返しが期待できるかもしれません。

貰う人、渡す人、いずれにとっても気持ちが明るくなる話題です。このように、人々の気持ちを明るくさせることが相場にプラスに働くという話は、行動経済学の分野で研究が進んでいます。当日の株価が上昇するのは、こんな人々の心理が働いているのかもしれません。

ですから、告白の日から感謝の日へと、より広がりを見せてきた近年のほうがバレンタイン効果で株高となるということにうなずけます。

当日より翌日のほうが株価が高い?

もっと意外なことがあります。バレンタイン効果では、当日より翌日の株価のほうが高いということです。

表1の一番下の行は、2005年以降のバレンタイン翌日の日経平均株価の騰落率を平均した値が示されています。0.87%となっており、同じ2005年以降の当日の騰落率である0.68%を上回ります。これは、こんな風に考えたらよいでしょう。

たとえば、職場でチョコレートが渡されるのは、株式市場が終了した午後3時以降かもしれません。それに、アフターファイブで恋人からチョコレートを受け取る人もいるでしょうし、帰宅後にご家族からもらう方もいるでしょう。

そうなると、ポジティブな気持ちは翌日の市場に反映されるはず。これがバレンタイン翌日の株高をもたらすのではないかと考えられる理由です。

チョコ価格と株価の意外な関係

実は、バレンタイン効果について、さらに面白いジンクスを見つけました。人々がチョコレートにお金をかける年のほうが、株価がより高いということです。

総務省統計局の家計調査では、1世帯当たりのチョコレートへの月別支出金額が公表されています。毎年、バレンタイン月の2月の、チョコレートとチョコレート菓子の支出をあわせたものに対して、バレンタインデー翌日の日経平均株価の騰落率をグラフで並べてみると、おおむね連動しています。

チョコレートの支出が多いということは、景気が良く、所得環境が良いことも背後にありますし、それだけ多くの人がバレンタインデーの恩恵にあずかったり、よりお値段が高いチョコレートを受け取ったりするケースが増えるでしょう。ですから、行動ファイナンスの観点で人々のポジティブな気持ちがもっと高まり、株高につながると考えられます。

バレンタイン商戦も巷で盛り上がってきました。バレンタインギフトの催しなども見られますが、今年のバレンタイン効果も楽しみです。

ところで、1ヵ月後の3月14日、ホワイトデーの株価も調べてみました。するとこちらは、株価はむしろ下がる傾向でした。残念ながら、ホワイトデーにはバレンタイン効果のようなものは見られないようです。

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