はじめに

投資で物価上昇リスクを抑える

収入の大部分を現金として貯金する場合には、物価上昇リスクというものがつきまといます。

2012年12月から始動したアベノミクスによって、日経平均株価は1万円以下の水準から2万円台近辺の水準まで上昇しました。アベノミクスによってもたらされた金融緩和と物価上昇によって、株式や不動産といったモノの価値が上がりました。

他方で、1ドルを交換するために必要な金額が80円台から、一時125円台まで高騰するなど、日本円の価値が相対的に下がってしまうという副作用も起こっています。そのため、預金のみの資産構成ではリスクを抑えたつもりでも、実は物価上昇に弱いという資産構成になりがちなのです。

物価の下落に強い現金と、物価上昇に強い株式等をバランスよく家計に組み込むことで、物価が下落しても、上昇しても比較的安定した資産形成を期待することができます。「貯蓄から資産形成へ」の本当の意図は、ただ株式投資をすればよいというわけではないと思われます。将来発生する様々なリスクに対して適切に備え、人生をより豊かにすることであると筆者は考えます。

<文:Finatextグループ 1級ファイナンシャル・プランニング技能士 古田拓也 写真:ロイター/アフロ>