はじめに
情報取得の壁とどう付き合うか
海外への投資は、情報取得の難しさが懸念点というのも間違いないでしょう。解決策としては英語に限らず、該当言語を全て読めるようになることですが、それも現実的ではありません。しかし、これまでの記事でも書いてきたように、あくまで長期投資が前提であれば、それほどタイムリーに情報を把握し続ける必要もないですし、日々の相場変動にいちいち気を病む必要もありません。
海外に投資をする際、個別株式への投資であれば、確かにニュースなどは読めた方がいいのですが、あくまで株価指数(米国であればNYダウやS&P500など)に投資であれば、そこまでタイムリーに情報を追う必要はありません。各国のマクロ指標は大まかには英語で確認ができるので、必要に応じてIMF(国際通貨基金)やOECD(経済協力開発機構)のサイトや、各国の統計局のHPを参照するといいでしょう。
国際分散投資の魅力を再確認
海外への投資における懸念点について、筆者の考えを書きましたが、違う観点からも海外への投資を検討するメリットをみてみましょう。冒頭でも書いたように、これから投資をする人には国際分散投資を勧めます。その考えの基礎となっているのは、過去の記事でも書いたように、「相場に絶対は存在しない」ということです。つまり、誰もが正確に将来を予測できません。
国内外の様々な資産クラスの年間リターンを表にまとめてみました。毎年、ランキング内における資産クラスの順位はバラバラになっています。つまり、毎年、一番リターンが高い資産クラスを当てるのは非常に難しいとわかります。一方で、全ての資産に均等で投資した場合を見てみると、リターンが首位になることはありませんが、最下位になることもなく、安定して中間に近いパフォーマンスを残しています。
各種資料を基に株式会社マネネ作成。※日本株式はTOPIX(東証株価指数)、先進国株式はMSCIコクサイインデックス、新興国株式はMSCIエマージングマーケットインデックス、世界債券はFTSE世界国債インデックスを参照。
あくまで、投資は余剰資金を使って、長期的な視点に立って行うものと考えます。決して、ギャンブルのようにレバレッジをかけたり、短期間で大もうけを狙うことではないのです。そのように考える人であれば、ぜひ国際分散投資を実践して、長期的な資産形成をしていただければと思います。
連載「お金の育て方」
【1回目】なぜ資産運用をするのか?お金以外に得られるモノ
【2回目】投資における大事な5つのルール
【3回目】投資信託で踏み出す「投資」へのはじめの一歩
【4回目】未経験者が知るべき「株式投資の基本」
【5回目】株価はどうやって決まる?市場で常に株価が動き続ける理由