はじめに
まだまだ出遅れている日本株
最後に日本株ですが、当面は堅調な株価推移が継続すると予想しています。年明け以降の日本株には、他市場との比較でパフォーマンス格差が広がっている様子が見受けられましたが、日本株を取り巻く環境がそこまで悪化しているとは思えず、やはり割安な状態に置かれていると考えるのが自然です。
米国株の予想PERと日本株PERに注目すると、米国株のPERが16倍台半ばまで上昇するなか、日本株のPERはようやく12倍台前半まで回復した状態です。通常、両者は一定の距離感を保ちながら、概ね連動して推移する傾向にあり、米国株のPERが16倍なら、日本株のPERは本来13倍くらいまで上昇しても不思議ではありません。
例年3月は、配当取りの活発化によって株式需給が好転する傾向にあり、それが日本株の出遅れを挽回する一つのきっかけになると期待されます。
以上、グローバル株式市場で目先最大の焦点となるのは、懸案の米中貿易交渉がどのような結末を迎えるかです。市場の思惑通りに最終合意に至れば、堅調相場はグローバルで続く可能性があります。当面は1~2月に見られたような力強い反発からは距離を置く可能性もありますが、基本的な相場の地合いは良好と判断されます。
<文:投資情報部 チーフ・グローバル・ストラテジスト 壁谷洋和 写真:ロイター/アフロ>