家計はコンパクトに、先を見据えた管理を

自営を始めて会社員時代と同じくらいの売り上げ、もしくはやや上回る程度の売り上げとなるのなら、手取り収入はそれまでより少なくなる可能性があります。前述したものが売上から引かれますし、先を見据えて確定申告時に収める税金分も準備し、退職金の代わりの貯蓄も作らなくてはいけません。

売り上げが1000万円を超えるようでしたら、その翌々年から消費税の課税事業者となりますので、納税用にお金を貯めておく必要がさらに出てきます。すぐに納めるのではなく、翌年、翌々年の支払い予定を立てておくべきことが多くなるかもしれませんね。

予期せぬタイミングで大きなお金が必要になるかもわかりませんから、家計はできるだけコンパクトにしておくほうが良いでしょう。

現状は黒字で貯蓄も8万円捻出できていますが、さらに支出を削減できるところがないか見直しをしてみましょう。生命保険はパッケージ型のもので良いのか、スマートフォンは大手キャリアのものが最適なのか、趣味娯楽費は妥当なのか、食費で見直しが可能な部分はないのか。様々な視点で見直しをしてみると、今以上に支出を抑えられる可能性があります。

もし、貯蓄に回せる金額がさらに増やせるのであれば、開業資金以外に将来に送るべき資金の保有についても検討したいところです。

税制優遇制度を活用して、老後資金は自力で作る

自営の場合、国民年金にしか加入できません。老齢年金をもらうとなると、今まで働いた分の厚生年金が支給されますが、あとは国民年金部分のみです。2019年受給開始の人の満額は年間約78万円です。ご夫婦二人で満額もらえても年間156万円ですから、たとえこれに厚生年金額がわずかに上乗せされても、老後の生活を維持することは難しいですね。そうであれば、老後に向けた資金は自力で作るという意識を持って、早めから準備を始めることが懸命だと思います。

まず検討したいのは、所得控除が受けられ、税金を安くできる仕組みです。個人型確定拠出年金、国民年金基金、付加年金、小規模企業共済が代表的でしょう。

個人型確定拠出年金は「iDeCo」と呼ばれて有名なので、聞いたことがあると思います。掛け金は最低0.5万円からで、上限は6.8万円。ただし、国民年金基金や付加年金にも加入する場合、合算して6.8万円です。これらは掛け金のすべてが所得控除となるので、所得税、住民税が安くなります。国民年金基金も掛け金が全額所得控除されるもので、職能型や地域型など複数に分かれおり、口数制となります。iDeCoとの違いは、確定拠出か、確定給付かという点です。付加年金は国民年金に400円上乗せして支払うと、「200円×納付した月数」分の金額が毎年加算されます。これらは国民年金をきちんと納めていることが加入の条件です。

また、小規模企業共済は毎月0.1万~7万円の間で金額を自由に設定してかけていくことができます。こちらも掛け金は全額所得控除です。共済なので、受け取り時の金額は受け取り事由により異なりますが、節税効果が高いので、自営業の方は iDeCoと合わせて導入を考えることが多いものです。これらを利用して将来に向けて備えると効率が良いと思います。ですが、掛け金が必要なものでもありますので、毎月の事業や家計の中からしっかりと捻出できる必要があります。

独立、自営がうまくいくよう、現状の支出を一度見直しをして、今のうちから家計規模を全体的に小さくしておくことはとても効果的だと思います。ぜひ、生活環境が変わる前にお試しください。

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