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あなたの株取引も「ダークプール」を流れているかもしれない

市場での存在感は高まっている

2月19日、金融庁が主催する「市場ワーキング・グループ」の第19回議事をうけて、「ダークプールの規制を検討する」という内容の報道がなされました。その名前のイメージから株式市場の「ヤミ市」と捉えられても不思議ではない「ダークプール」、その実態はどのようなものなのでしょうか。

実は2019年の時点で、既に数社の証券会社が個人投資家の注文をダークプールに取次ぐサービスを行っています。東京証券取引所の「ダーク・プールへの対応について」のデータによれば、ダークプール経由の取引はここ1年で全取引の4~5%程度を占めるようになりました。

ダークプールの市場シェアは右肩上がりを続けており、今後も増加していくとみられます。場合によっては、あなたの株取引は今後ダークプールを経由するかもしれません。もしくは、すでにダークプールを通っている可能性すらあります。

あなたの株取引がダークプール経由で行われた場合に何が起こるのか、その仕組みを今のうちから正しく理解しておきましょう。


仰々しい名前だが、実際は株の「フリマ」?

ダークプールとは、株のフリーマーケットのような場のことをいいます。取引所ではなく、証券会社自身が取引所のような役割を担うため、フリーマーケットのようなものと表現しています。

本来は、証券会社自身が投資家同士の注文を付け合わせる市場をダークプールと呼びます。ちなみに日本では、既存の枠組みで違法にならないように少々回りくどい方式をとっています。ダークプールで行われる取引を最終的に証券取引所に取り次ぎますが、基本的な考え方は変わりません。

そもそも、なぜ「ダーク」プールという仰々しい名称で呼ばれているのでしょうか。それは、ある株がいくらで何株取引されるかという注文情報が大きなポイントになります。価格(気配値)と注文数量を開示する義務があるものが証券取引所、ないものがダークプールという分類になります。

証券取引所は、ある株がいくらで何株注文が入っているかを板情報で明らかにしています。そのためライトプールと呼ばれています。一方で、ダークプールは板情報の開示義務はありません。そこで「ライト」(光)の対義語を用いて「ダーク」(闇)プールと呼ばれることとなりました。

注文情報が表示されないと喜ぶ投資家がいる

他の注文情報が表示されないと一見、不便かと思うかもしれません。確かにダークプールでは、板情報が確認できません。どの価格で、何株注文が入っているかを外から確認することは不可能に近いことから匿名性が高い市場といわれています。

実は、匿名性が高い点につきメリットを感じる投資家もいます。それが機関投資家という巨額の資金を運用するプロの投資家です。彼らは場合によっては数十億円から数百億円を注文することがあります。仮に取引所でこの金額を買おうとすると、個人投資家に比べてかなり長い時間を要することもあります。その間に、他の投資家から「機関投資家が買っている」と感づかれやすくなります。

巨額の資金を運用する機関投資家にとって、注文動向がばれてしまう事は最も避けたいことです。まだ購入しきれていないのに株式の値段が上がってしまったり、売りきれてない株式の値段が大きく下がってしまったりと、運用成績に悪影響を及ぼしやすくなるためです。

そこで、他の投資家に感づかれることなく注文を完了しやすくなるダークプールが機関投資家にとって重宝されるのです。では私たちのような個人投資家がダークプールを利用するメリットにはどのようなものがあるのでしょうか。

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