はじめに

読者のみなさんからいただいた家計や保険、ローンなど、お金の悩みにプロのファイナンシャルプランナーが答えるFPの家計相談シリーズ。

今回の相談者は、昨年双子が誕生した32歳の男性。出産後に増えるイレギュラーな支出入の管理方法がわからないといいます。またこの先、同じタイミングで2人分かかる教育費や、全国転勤があり得る中での住宅購入のタイミングなど、どのように考えていけばよいのでしょうか。FPの渡邊裕介氏がお答えします。

昨年、双子が生まれました。妻が産休・育休に入って月々の給与が減ると共に、出産一時金、出産手当金、育児休業給付金(2カ月毎)、児童手当て(4カ月毎)、出産祝いが不定期に入ってきます。一方で子供関連のイベント支出も多く、育児用品の購入、ワクチン接種(任意分)、定期健診、お宮参り、保育園入園があります。近々でいえば、給与は6カ月平均で27.0万円に対して、支出は39.4万円であり、毎月赤字です。ただ、お祝いをいただく機会も多く、全体の収支は大幅な黒字です。このようなタイミングで、収支管理はどのようにするのが適切でしょうか。ボーナス含め、臨時支出入をどう管理すればいいのでしょうか。また、イベント支出はどこまで許容してよいものなのでしょうか。


また、借り上げ社宅を2027年まで借りられる一方、その年まで借りると住宅購入をするときには41歳になってしまいます。仕事柄、全国転勤があり得る会社のため、購入が良いのか賃貸がいいのかについても迷っていますが、購入するとしたら、いつ購入するのが適切なのでしょうか。自動車通勤が必須のため、駐車場代を考えると戸建ての方がよいと思っています。


<相談者プロフィール>
・男性、32歳、既婚、子供2人
・職業:会社員
・居住形態:賃貸(育児支援のため義母同居中)
・手取りの世帯月収:27万円
(社宅、生命保険料、自動車保険の9.5万円を天引き後の金額)
※昨年の手取り年収:673万円(妻の月収含む)
・毎月の支出目安:39.4万円


【資産状況】
金融資産:1,050万円程度
・現金 34.1%
・個別株式 28.3%
・個別REIT 4.8%
・株式INDEX 12.5%
・REIT INDEX 15.4%
・債権INDEX 2.5%
・その他 2.3%(金投資信託)


<支出の内訳(39.4万円)>
・食費:8.3万円
・日用品:4.2 万円
・趣味・娯楽:5.2 万円
・交際費:1.1 万円
・交通費:0.3 万円
・衣服・美容:1.3 万円
・健康・医療:2.2 万円
・自動車:1.2万円
・教養・教育:1.2万円
・特別な支出:3.3万円
・現金・カード:2.8万円
・水道・光熱費:1.3万円
・通信費:2.6万円
・住宅:2.0万円(駐車場代)
・税・社会保障:1.3万円
・保険:0.2万円
・その他:0.9万円


渡邊: こんにちは。ファイナンシャルプランナーの渡邊です。双子のご出産おめでとうございます。これからのお子様との生活が楽しみなのと同時に、おカネ面の悩みも出てきますよね。今回は、出産後のおカネとの付き合い方について考えていきましょう。

臨時支出入が多い「出産後の家計」

ご相談は、出産後の適切な収支管理についてとのことですが、出産直後のイレギュラーな収入・支出と、通常の生活設計と切り分けて考えられると良いと思います。

まず、出産直後の期間ですが、色々とおカネが出入りする時期なので、それぞれをリストアップすることをおすすめします。内祝いなどのお返しもあるので、誰からお祝いをいただいたか、漏れがないように記載しておきましょう。そして、出産育児一時金や出産お祝いなど一時金で入ってくるものは個別管理をし、継続的に入ってくる出産手当金や育児休業給付金については、家計のなかで管理をすると整理しやすいです。

ワクチン接種や定期健診に関しては、自治体や産院によっても異なりますが、助成があるケースも多いので、お住まいの自治体に確認してみてください。児童手当や、イレギュラー収支の中での黒字部分に関しては、将来必ず必要となる教育費として考えておくと良いでしょう。

出産育児一時金・出産お祝い… お宮参り、お食い初め、内祝いなど
出産手当金・育児休業給付金… 日々の生活費管理
児童手当… 将来の教育費

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