はじめに
いつ資金が必要になるのか?3つに分けて考える
次に、通常の生活設計の組み立て方ですが、貯蓄計画を立てる上で大事なのは、将来の経済的な目標の時期によって分けて考えることです。
1.短期的に必要な資金( ~10年): 生活費、自動車・住宅購入、突発的に必要なお金
2.中期的に必要な資金(10~20年): 教育費、住宅ローン返済など
3.長期的に必要な資金(20年~ ): 老後資金
10年以内に起こりうる自動車の買い替えや住宅購入資金については、預貯金など安定的で流動性のあるもので準備をしましょう。中・長期的な目標の資金については、時間を味方につけて、一部運用を取り入れると効果的です。
大学費用は「高校入学までの15年間」で貯める
短期的に必要となる、保育園の費用や小学生の時にかかる費用については生活費の中でやりくりしていきます。
ポイントは、中学校以降の教育費準備です。高校以降を私立で考える場合、お子様2人分の教育費を支払いながら、さらに貯蓄することは難しくなるので、高校に入るまでの約15年間が大学費用を重点的に貯める時期になります。今回のご相談は、双子ですので、同時期にダブルで教育費がかかることになります。入学金などの一時費用も二人分必要となりますので、より計画的に行いましょう。
中学・高校の費用については、児童手当を活用しましょう。児童手当が一人当たり198万円×2名分で396万円となります。「年間の世帯収入で支払える範囲+児童手当の範囲内」で中学・高校の進路を検討すると無理のない負担となります。
次に大学費用の準備ですが、仮に私立文系で自宅通いとすると、一人当たり約460万円が2名分で920万円となります。仮に年間100万円は収入の中からやりくりできるとすると、920万円―400万円=520万円となり、これを、重点貯蓄期間である15年間で貯めると、年間約35万円、月々約3万円の貯蓄が必要な計算になります。それ以外にも、住宅資金や老後資金なども必要となりますので、これらを踏まえた上で、現在の家計の見直しをしていきましょう。
また、現在のお手持ちの資産のポートフォリオ(資産配分)をみると、しっかりと分散投資しているのは素晴らしいのですが、今後の短期目標の支出を考えると、少し運用比率が高いかもしれません。今後目指す毎年の貯蓄額や、運用状況にもよりますが、この出産のタイミングで貯蓄計画と合わせて見直す必要があるかもしれません。
住宅購入、後悔のない「ベストな購入時期」は?
住宅購入の適切な時期とのことですが、結論から申し上げると“マイホームが欲しい時に、理想の住宅が、希望するエリアで、購入可能な予算の範囲内”で見つかった時が、ベストな購入時期だと考えます。
ここでの“購入可能な予算の範囲内”というのは、収入に対して銀行から借り入れできる金額ではなく、教育費や老後の準備なども含め、ローン返済以外の生活設計もした上で返済できる範囲内ということです。
タイミングを損得で考えるのは難しく、すべて結果論となります。それよりも、適正な予算範囲内で、理想の家を取得するのが後悔のない住宅購入ではないでしょうか。
また、今後全国転勤の可能性もあり、購入か賃貸かも迷ってらっしゃるようですが、仮に転勤となった場合に奥様がお仕事を辞めてご家族一緒に転勤先に行くのか、それとも単身赴任となるのかによっても考え方は変わってきますので、今から色々なパターンのシミュレーションをしておきましょう。もし将来奥様がお仕事を辞める可能性があると、ライフプランも変わってきます。
いずれにしても、借り上げ社宅で賃料を安く抑えられているこの時期にしっかりと貯蓄をしておくことが重要です。将来の夢や目標も、時間の経過と共に変化します。その時々に最適な選択肢を選べる状況をつくるために、今から準備をしていきましょう。