はじめに
森ビルが新しい再開発計画を発表した理由
森ビルが超高層複合ビル「虎ノ門ヒルズ」の周辺で新たに高層ビル3棟を建てる大規模開発計画を発表しました。この計画は国家戦略特区の予定事業に指定されているということで、東京五輪に向けた首都経済の活性化に期待がかかります。
虎ノ門の計画では、2棟が2019年、一棟は2022年に竣工ということですから、すべてが東京五輪に間に合うわけではありません。そもそも2016年時点で発表される大規模開発の場合は2020年に間に合うかどうかはぎりぎりでしょう。しかしこのような計画がつぎつぎと発表されることで、世の中の景気が上向く効果があることはいいことです。
さて、この虎ノ門の開発計画で興味深い点は、虎ノ門ヒルズの真下に東京メトロ日比谷線の新駅が出現することです。この区間は霞が関駅と神谷町駅の間の距離が長いことから、地上のオフィスにとっては若干交通が不便だったエリアでもあるのですが、それが解消されます。日比谷線虎ノ門新駅(仮称)は銀座線の虎ノ門駅ともつながりますから、メトロの乗り換えも便利になりそうです。
東京五輪で新駅・新線構想が目白押しに
また同時にバスターミナルも併設されて、これは虎ノ門にやはり新設されたマッカーサー道路を通ってお台場エリアに行き来するバスの拠点にもなるようです。
このように新駅と一緒に進む大規模開発計画では、最初からその不動産の利便性が高いことが決まっているために、大規模な投資を少ないリスクで行うことができ、事業者にとっても、開発を通じて経済を活性化させたい行政にとっても、どちらにもメリットがある開発手法です。
都心にはこれ以外に、新しくなった渋谷駅のターミナルの再開発プロジェクトや、東京メトロ有楽町線を豊洲から住吉に向けて縦方向に延伸して半蔵門線とつなげる新線プロジェクト、JR貨物線を利用した羽田空港への新線プロジェクトなど、東京五輪に向けたあらたなプロジェクトが目白押しになっています。