はじめに

「テレビ」が人気の理由

こうした家電の2次流通マーケットですが、1年の中で最も活発に取引されるのが4月だといいます。より正確に書くと、3月に出品数が増え、その取引が成立するのが4月、というケースが多いそうです。

フリマアプリの草創期は衣類が取引の中心でしたが、ラクマの広報担当者によると、普及が進んだ近年は「とりあえず何でも出品してみよう」という流れが強まっているとのこと。その中で、家電は特に勢いが強いのだそうです。

実際、主要な家電のラクマでの取引額を2017年4月と2018年4月で比較してみると、いずれも大きく伸びています。特に急伸したのが「テレビ」です。

取引額
(出所)楽天

前出の広報担当者によると、5年ほど前からテレビのバックパネルがLEDに変わり、消費電力が抑えられたほか、4Kや3Dなど新たな機能が付いた機種が出ていることが人気の背景にあるとみられます。

「“テレビ離れ”と言われていますが、実際にはテレビ局の放送を見ていないだけで、テレビでネット配信を見たり、ゲーム機で遊ぶという人は増えているのかもしれません」(同)


(注)2018年3月1日~2019年2月20日のラクマでの取引(出所)楽天

取引の成立率(2018年3月~2019年2月)でも、「テレビ」が71.4%でトップ。「エアコン」は48.2%と他の家電に比べて低めに出ていますが、季節性が強く、夏場には成立率もハネ上がるといいます。

メーカー別では「シャープ」が3冠

家電メーカー別の人気度(2018年3月~2019年2月)では、シャープが「洗濯機」「冷蔵庫」「テレビ」で3冠を獲得。大手メーカーで安心感がある割には価格が手頃、という点が人気の背景にあるとみられます。

【家電別の人気メーカーランキング】

(注)2018年3月1日~2019年2月20日のラクマでの取引(出所)楽天

「エアコン」で1位になったのはダイキン。新品では他のメーカーに比べて価格が高めの印象がありますが、その分、2次流通では割安に映ることから高い需要があると考えられます。

「乾燥機」では、アイリスオーヤマがトップ。もともと手頃な価格であるのが、2次流通になってさらに手頃な価格になっているのが受けているようです。雑誌などでの評価も高く、特に主婦層に人気だといいます。

パナソニックはすべての家電でトップ3に入っています。総合家電メーカーとしてのブランド力が改めて確認できる結果といえそうです。

買い替えたい家電はあるけれど、新品で買うには予算をオーバーしてしまう。あるいは、不要な家電の処分代を考えると、買い替えを躊躇してしまう。そんな悩みを抱えている人は、フリマアプリを活用すると、これまでよりも選択肢が広がるかもしれません。

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