はじめに

新生活が始まる春。初めての1人暮らしに胸を躍らせている方も多いのではないでしょうか。アベノミクスが始まってから新卒の内定率が上がり、1人暮らしをする若者が増えています 。

1人暮らしの新生活に向けて、家電量販店では家電製品のセット販売をしていますが、最近では、スマートフォンがテレビやパソコンの代替手段にもなっています。今どきの1人暮らしの若者の家電保有状況はどうなっているのでしょうか。


冷蔵庫の保有率が若干低下、女性は掃除機や電子レンジも

家電製品には色々なものがありますが、まずは炊飯器や洗濯機などの家事用家電について見ていきたいと思います。

総務省「全国消費実態調査」にて、30歳未満の単身勤労者世帯の家事用耐久財保有率の変化を見ると、男性では全体的に上昇していますが、直近の5年間を見ると、冷蔵庫のみ若干低下しています。

図1 30歳未満の単身勤労者世帯の家事用耐久材保有率の変化
(a)男性
図1(a)
(b)女性
図1(b)
総務省「全国消費実態調査」より作成

1999年から2014年にかけて、男性では炊飯器や電子レンジ、洗濯機の保有率が約5割から約9割へと大幅に上昇しています[図1(a)]。また、もともと比較的保有率の高い冷蔵庫や掃除機も1割前後、上昇しています。一方で、2009年から2014年にかけて、冷蔵庫の保有率は若干低下しています(▲2.4%pt)。

次に、女性について見ると、もともと男性と比べて家電製品の保有率が高いため、全体的に上昇幅が小さいのですが、低下が目立つものもあります[図1(b)]。

1999年から2014年にかけて、女性でも炊飯器や電子レンジ、洗濯機、冷蔵庫の保有率は上昇していますが、男性と違って掃除機は低下しています(▲6.8%pt)。また、2009年から2014年にかけては、男性と同様に冷蔵庫(▲1.6%pt)はわずかに低下していますが、電子レンジ(▲3.6%pt)も若干低下しているのです。

つまり、男女とも最近、冷蔵庫の保有率が若干低下しており、女性では掃除機や電子レンジの保有率も低下しているのです。

また、2004年までは全体的に女性の保有率の方が男性より高かったのですが、2014年では女性より男性の方が掃除機や炊飯器の保有率が高くなっているのです。

フローリングは掃除機より使い捨てシート?

この背景には何があるのでしょうか。男女とも保有率が若干低下している冷蔵庫については、小型の備え付け冷蔵庫のある部屋に住む若者が増えているのかもしれません。昔ながらのアパートや寮ではなく、比較的新しい1人暮らし用のマンションでは、ホテルのように小型冷蔵庫が備え付けられている部屋が多いのではないでしょうか。

また、女性で掃除機の保有率がわずかに低下しているのは、例えば、フローリングの部屋に住む女性が増えたことが考えられます。1人住まいの広さであれば、掃除は使い捨ての掃除シートで事足りるのかもしれません。

最近では、乾拭きで埃を取るタイプのものだけではなく、ウェットシートやワックスがけができるものなど種類が発売されています。掃除機の保有率が女性より男性で高い理由も、女性の方がフローリングの部屋に住んでいる割合が高いためなのかもしれません。

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