はじめに
ペットと暮らすにはお金と覚悟が必要
ところで、相談者様はペットを飼った経験はおありですか。ペットを飼うと、なによりも癒されることでしょう。それと同時に孤独感が軽減され精神的安定にもつながりますよね。都心で、猫が快適に住める賃貸物件の家賃は14万円以上とのこと。猫を飼うには、他にどのようなお金がかかるでしょう。
食費(ペットフードやおやつ)をはじめ医療費(健康診断やワクチン接種)、生活日用品(猫砂、おもちゃ)などが主な支出で、2018年のペットフード協会の調べによると、1ヵ月当たりの支出総額は医療費等を含み6236円。猫の寿命は平均15.32歳、一度飼い始めたら15~16年ほど一緒に暮らすことになります。生涯必要経費は120万円ほど、他に病気やケガの治療費、不妊や去勢の費用、必要に応じてトリミングやペットホテルの利用料などもかかってきます。ともに生きていくお金と、最後まで面倒をみる覚悟が必要となります。
猫と暮らせる快適なマンションを購入してから「はじめて猫を飼ってみたもののやっぱり無理」とならないためにも、賃貸で猫とのプレ同居してみることをおすすめします。
体調が回復し満員電車に乗れる状態になれば、都心から少し離れた場所で猫と賃貸暮らしをしてから購入を検討することもできます。エリアの選択肢も広がります。経済も体調も安定した時点で賃貸か購入かを考えても遅くはありません。
「3つのしあわせ」で生活に潤いをプラスする
さて、お友達から心配されているお金の使い方ですが、まず「先取り貯蓄」をして、残ったお金を生活費等に回すといいでしょう。何のために貯めるのか? 使うのか? 目的とゴールを明確にする必要があります。相談者様の「猫を飼うために、マンションの頭金1000万円を貯める」という目的を達成させるために、「いつまでに」というゴールをもっと明確にしましょう。
また、お金を「使う・増やす・守る」という3つで考えてみます。「使う」は生活費や趣味など今のしあわせ、「増やす」は老後資金など将来のしあわせ、「守る」は病気やケガ、収入の減少といった万が一を助けてくれる一生涯のしあわせに繋がるお金です。
まずは、緊急予備費として支出の6ヵ月から1年分を確保。そして、2000万円といわれるシングルライフの老後資金の準備しましょう。iDeCoなども活用して月7万円を先取り貯蓄にまわし、次にマイホームの頭金を積立て、残りは「使う」にまわすというイメージです。この「使う」ことに、猫カフェに足を運ぶなど、今を楽しむお金をプラスしてみたら良いと思います。今のしあわせへの投資と猫を飼うための準備にもなりますよね。
収入はひとつなので、この3つをバランスよく保つことで、今も将来も楽しく生活できそうです。お金を使う経験が少ないという相談者様は、お金の使い方に慣れたところで大きな買い物のマイホーム購入を検討されたらいいと思います。お体を大切に潤いある生活を送ってください。