はじめに
2.いつまでも話せないのは「覚えた」の定義が間違っているから
それではスピーキング力を伸ばすためにどのように学習を進めていけばいいのでしょうか。
例文を使って解説しましょう。次の問題の答えをA~Dの中から選んでください。
I have a friend ( ) works for Brighture.
A.who
B.which
C.where
D.whom
わかりましたか? これは中学で学んだ関係代名詞の主格の問題で、正解はAです。
しかし、面白いことにこの問題を解けた人に「関係代名詞の主格を使った文章を何か話してください」と聞くとほとんどの人が黙り込んでしまいます。問題は解けるのに、関係代名詞の主格を使った文章が口から出てこないのです。
なぜこんなことが起きるのでしょうか?それは私たちの「覚えた」という定義が間違っているからです。
私たちがこれまで行ってきた勉強は「関係代名詞の問題が解けた」という時点で「覚えた」と考えます。このような文法問題をスムーズに解けるようになることが学校やTOEICなどの勉強方法だからです。
しかし、スピーキング力を伸ばしたいなら「関係代名詞の主格を使ってスピーキングができる」を覚えたの定義にするべきです。これは文法の事例ですが、単語も同じです。一般的な単語帳は、英語と日本語訳が対になっています。そして、多くの方が赤シートなどで一方を隠して、
単語を見て→意味がわかるか?
意味を見て→単語が書けるか?
の訓練を繰り返し行い、スムーズに解答できるようになれば「覚えた」とします。しかし、先ほどの文法の話と同じように、この覚え方ではいつまでたっても英語を話せるようにはなりません。