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女性が輝く「なでしこ銘柄」、株価の動きもキラキラなのか

最新42社のパフォーマンスを分析

なでしこ銘柄はどうやって選ばれる?

なぜ、なでしこ銘柄のパフォーマンスは相対的に良いのでしょうか。理由を考えてみる前に、なでしこ銘柄を経産省がどのように決めているか、確認しておきましょう。

経産省の資料を見ると基準が細かく書かれていますが、これらの基準をキッチリ知る必要はありません。趣旨を実感として捉えることが重要です。

1つ目は、女性活躍推進法に基づいて会社が行動計画を策定していること。会社が女性活躍に関して、具体的にどのように取り組むかを示しているかを見ています。たとえば、新卒採用者に占める女性の割合を増やすことや、女性の平均勤続年数を伸ばすことなどの項目について、いつまでに、どの水準を目指すかを示すというものです。

2つ目が、厚生労働省のデータで女性管理職比率を開示していること。3つ目が、女性取締役が最低1名いることです。これらの3つの条件をクリアしなければなりません。

こうした条件を満たした企業の中で「男性も育休が取得できる制度があること」や、有給休暇を取得しやすいなどの「継続就労のしやすさ」という観点から得点を付けたうえで、会社が利益を生んでいるかということも踏まえて、最終的に決定しています。

女性の活躍が株価に結びつく理由

つまり、女性が仕事で活躍しているということだけでなく、育児休暇が取りやすい環境であるなど、個人の仕事と生活の両立なども考えた環境を企業が提供する努力も重要になっています。

こうした点を踏まえて、株価との関係を考えて見ましょう。ここでは2つのポイントがあります。

1つは、企業が利益を生みやすい体質になっていくことにより、投資家から評価されるということです。女性が活躍しやすい環境を作っているということは、社員の能力を活かしていこうという姿勢の強さを示しています。社員の生産性やモチベーションが企業業績を良くさせることで、将来の株高につながると考えられます。

2つ目のポイントは、近年、少なからず投資家がなでしこ銘柄への関心を高めていること。投資家が注目することで、なでしこ銘柄に投資する投資家も増え、株式の需給が良くなり、株高要因になるわけです。

発表後に投資するとパフォーマンスは?

前出の図1のなでしこ銘柄は2019年3月に発表されました。指数化の起点である2015年末の時点では、この情報はわからないため投資には生かせません。

そこで、2016年に発表された企業を使ってみました。同年3月16日になでしこ銘柄の45社が発表されました。その後の3月末になでしこ銘柄に100万円投資する検証を行いました。

図2

なでしこ銘柄のパフォーマンスは、選定されてから1年半くらいまではTOPIXを大きく上回れませんでした(青線)。しかし、その後はTOPIXを上回り、直近の2019年2月末では124ポイントとなりました。これはTOPIX(赤線)の119ポイントを上回っています(図2の囲み部分)。

実は、この連載の前回記事(「健康経営銘柄」は株価も“健康的”に上がるのか)で取り上げた健康経営銘柄の株価推移も、似たような動きとなりました。健康経営銘柄とは「従業員が健康でいられて、活躍できるように配慮した職場環境を会社が作っている銘柄」です。なでしこ銘柄と同様、経産省と東証が選んでいます。

こうした銘柄に選ばれてしまうと、それまで市場で評価されて株価が上昇してきたことがいったんは一服してしまいます。しかし、長期的な投資の観点で見れば、株価は市場全体を上回り、堅調に推移します。

図2では、なでしこ銘柄と健康経営銘柄の両方に選別された銘柄の推移も示しました。ここでは、なでしこに選ばれた銘柄のほうが株価の上昇が大きい傾向がありましたが、長期的にはTOPIXを上回っていることも注目に値します。このように、両方に選ばれているという観点も重要かもしれません。

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