はじめに

読者のみなさんからいただいた家計や保険、ローンなど、お金の悩みにプロのファイナンシャルプランナーが答えるFPの家計相談シリーズ。

今回は、支出を消費・浪費・投資の3つに分ける「家計の三分法」を取り入れている35歳の主婦からの相談です。家計をよりよくするために取り入れたこの方法が、かえってストレスになっているといいます。マネーフォワードから生まれたお金の相談窓口『mirai talk』のFPがお答えします。

この春から復職をします。以前、ファイナンシャルプランナーの横山光昭さんの著書を読んだのをきっかけに「消費・浪費・投資」について夫婦で月1回、確認する時間を作るようにしました。うちの家計は、投資が少なく、消費か浪費かの判断に悩むお金の使い方は浪費という判断にしています。お付き合いのお食事や外出は浪費として判断しているので、断ることが増えてきました。すると、なんとなくストレスが増えているのに、支出の改善がはかれている実感はないため、このやり方が間違っているのではないかと不安が募っています。消費・浪費・投資の分け方について厳しすぎるのでしょうか? 振り分け方について、アドバイスをお願いします。


〈相談者プロフィール〉
・女性、35歳、既婚(夫:39歳、会社員)、子供1人(4歳)
・職業:個人事業主
・手取り世帯月収:65万円
(夫:46万円、妻:19万円)


【資産状況】
・預貯金:80万円
・住宅ローン:残債3300万円


【支出の内訳(53.5万円)】
・住居費:13.9万円(管理費等含む)
・保険:2.9万円
・教育費:6.2万円(保育園、書籍代など)
・通信費:1.3万円
・車両費:0.2万円(カーシェア利用分)
・食費:5万円
・水道光熱費:1.8万円
・日用品:3万円
・趣味・娯楽:1.5万円
・衣服・美容:1万円
・健康・医療:1.5万円
・交通費:0.5万円
・小遣い:8.5万円(夫:5万円、妻:3.5万円)
・ペット費:1.2万円
・住民税:1.8万円(毎月積立して管理)
・固定資産税:3.2万円(毎月積立して管理)


FP: ご相談ありがとうございます。mirai talkファイナンシャルプランナーの秋山です。家計の三分法を使って家計管理をすると、ストレスが溜まるということですね。それはもしかすると、仕分けの仕方に無理があるのかもしれません。相談者さんご一家の消費・浪費・投資の正しい分け方について一緒に考えてみましょう。

消費・浪費・投資に分ける「家計の三分法」とは?

相談者さんは家計の三分法を使って、支出を消費・浪費・投資に分けて管理されているとのことですが、まずその分け方の意味合いを理解されているか、今一度確認してみましょう。

消費: 今を生きるために必要な支出。衣食住や、生活に必要な水道光熱費、通信費といった使用料など。
浪費: 生活に必要のない支出。単なる無駄遣い。今をひたすら楽しむだけのギャンブル、過度な嗜好品など。
投資: 将来につながる、生産性のある支出。自己投資や預貯金、金融投資など。

これを使って支出を分けていくときに注意したいのは、この意味合いを「費目」に割り当てて考えてはいけないということ。イメージしていただくために「消費は、家賃や食費、光熱費」などとお伝えしていますが、「食費=消費」「書籍代=投資」と費目で単純に分けてしまうと、この家計の三分法が活きません。費目による先入観は取り払い、それぞれの支出がどれに分類されるか自分の価値観で考えてみてください。

もちろん「投資を増やさなくちゃ」「浪費を減らさなくちゃ」などと、意図的に振り分けることはしてはいけません。

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