はじめに
孫の誕生や、入学・卒業など節目のときに祖父母からお祝い金をもらう人も多いのではないでしょうか。また、孫が祖父母と会ったときお小遣いをもらう、なんてことも。
しかし、金額や使い道によっては、そんな何気なく行われているお金のやり取りに「贈与税」という税金がかかる場合があります。
どのようなときに贈与税がかかるのか、また贈与税がかからないためにはどうしたらいいのか、あとから税金発生!? ということがないようしっかり押さえておきましょう。
贈与ってなに?どんなときに贈与税がかかるの?
日常生活であまり使うことのない「贈与」ということば。なんだか難しそうですよね。
贈与とは、個人から財産をもらうことです。法律の上では、あげる側ともらう側が両方とも「贈与する(される)と合意することで成立します。そしてその財産をもらったときにかかる税金が贈与税です。
たとえば、下記のように、祖父母からお金をもらうケースも珍しくないでしょう。
(1)子の誕生で、お祝い金を兼ねて今後お金がかかるだろう、と父母から100万円をもらう
(2)中学受験を控えて塾に行きはじめた孫が、祖父母から塾代やその後の学費として200万円をもらう
(3)結婚の近い孫が、結婚式や新居のための費用として祖父母から300万円もらう
このうち、(2)と(3)は贈与税の課税対象となります。
(1)が贈与税の課税対象にならないのは、基礎控除という制度があるからです。
贈与税には、110万円の基礎控除があります。贈与税は、1年間(1月1日から12月31日まで)にもらった財産の合計額から基礎控除の110万円を差し引いた残りの額に対して贈与税がかかります。もらった財産の合計額が110万円以下の場合、「贈与税はかからない」ということになります。
祖父母からお金をもらったとき、すべてが「贈与」となるわけではなく、「贈与にあたらない」場合もあります。たとえば、扶養義務者(困窮などが原因で日常生活が営めない人がいたとき、お互いに助け合わなければいけない人。父母や祖父母、兄弟姉妹など)から、通常の日常生活に必要な生活費や教育費(学費・教材費・文具費など)をその都度もらい、これらに充てた場合は「贈与にはあたらない」ことになります。しかし、そのお金を貯金したり株式や不動産などの購入資金に充てたりした場合には贈与となり贈与税の課税対象になります。