この世においしい話はない

詐欺に引っかからないための方法はいろいろあると思いますが、まず「この世においしい話はない」ということを念頭に置いた方がよいでしょう。これまでの連載でも書いてきましたが、将来を正確に予測できる人はいません。それはつまり、将来のことに対して「絶対に」や「必ず」といった言葉を使う人は怪しいということです。

また、ある程度、数字が出てきたら自分で計算して、その数字が現実的なものかどうかを計算してみましょう。最近ニュースになっていた詐欺事件では、「月3%の配当を約束」していたそうですが、まず前述の通り、将来の配当を約束している時点で怪しいわけです。

さらに、月3%の運用がいかに非常識な数字かを考えましょう。3%という数字自体が大きくないので、そのまま素通りしてしまう人もいるかもしれませんが、1万円を毎月3%で複利運用すると、2年後には2万328円になります。つまり、月利3%というのはたった2年で元本を倍に出来る程の利回りということになります。本当にそんなことができるのであれば、ちまちまと個人をだますことなどしなくても、世界中の富裕層から資産運用を依頼されるでしょう。

この世においしい話が絶対にないかと言われれば、正確には多少はあるのかもしれません。しかし、得てして、おいしい話は情報の非対称性によって引き起こされます。ネット社会の今、おいしい話はスグに共有されてしまい、瞬く間においしくなくなってしまいます。そう考えると、やはりおいしい話はないと思っておいた方がいいのです。

平日のカフェに行ってみると…

減ったといえども昨年も1万6,000件以上も特殊詐欺が認知されています。それでも自分は経験したことがないから、そこまで注意する必要はないと思う人はいるかもしれません。そういう人は平日にカフェに行ってみるといいでしょう。

筆者はミーティングの合間にカフェで原稿を書くことが多いのですが、平日のカフェにはさまざまな人がいます。その中でも、かなりの確率で何かしらの勧誘や営業をしている人達と隣の席になることが多いのです。特に盗み聞きをしているのではないですが、たまに耳に入ってくる会話内容が、まさに前述のように「絶対に」とか「必ず」といった言葉を使い、利回りや儲かることを保証しています。

世の中を生きていく上で、お金はとても重要なものです。手軽に増やしたい気持ちもわかりますが、必ずリターンとリスクは共存しています。異様に高いリターンを示されたら、つい気持ちが浮ついてしまうかもしれませんが、同時に高いリスクを取ることになると心にとめておいてください。また、投資であれば、このようにハイリスク・ハイリターンになりますが、そもそも詐欺の場合はハイリスク・ノーリターンの場合がほとんどです。やけにおいしい話が舞い込んできたら、スグには受け付けず、一度周りの家族や友人に相談してみるのがいいでしょう。