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紙幣刷新は“中長期で”日経平均にポジティブに働くのか

過去3回を検証してみた

4月9日、政府は新しい紙幣と500円貨幣を発行することを発表しました。1万円、5,000円、1,000円の紙幣は2024年度上期をメドに発行。500円玉は2021年度上期がメドとされています。

今回の紙幣刷新、実際にはどの程度、心理的に株式市場にポジティブな影響を与えるのでしょうか。発表当日の日経平均株価は上昇しましたが、今後もこうした傾向は続くのでしょうか。平成に入って行われた紙幣・貨幣の刷新の発表とその後の日経平均の動きから、考察してみました。


20年に1度の紙幣刷新が意味するもの

過去を振り返ると、ちょうど20年に1回、紙幣刷新が行われてきました。前回は2004年、その前は1984年です。年々、紙幣を偽造する技術も高まるため、20年に1回、最新の偽造防止の技術を駆使した紙幣に刷新されてきました。

前回の2004年11月1日に行われた紙幣刷新を振り返ってみましょう。当時は、2年前の2002年8月1日に発表されました。これと比較すると、5年前に発表された今回は少し早い印象です。もしかしたら、改元に合わせたタイミングで発表したかったという考えがあるのかもしれません。

1989年1月から始まった平成ですが、30年間の株式市場を見ると、その年の年末に日経平均が3万8,915円を付けた後、長期低迷期に入りました。バブル崩壊後の平成に起きた長期的な景気後退は「失われた20年」と言われます。

ただ、2012年11月に9,000円を割り込んでいた日経平均は、安倍晋三政権への期待で火が付いたアベノミクス相場で本格的な上昇基調に転換。トランプラリーなどを経て、2018年10月には2万4,270円まで回復しました。

しかし、今後を考えると、景気見通しがそれほど明るいともいえません。今年10月には消費増税が予定されています。また、来年に迫った東京五輪後の景気回復の牽引役が、いまだハッキリしません。本当に持続的な経済の回復が期待できるのか、景気低迷が20年で終わったのでなく、「失われた30年」となるのではないか、と心配する人もいるようです。

一方、5月に迎える「令和」への改元で、新しい時代への期待も高まっています。このタイミングで紙幣・貨幣の刷新、そして紙幣の“顔”やデザインが発表されたことで、厳しい出来事の多かった平成が終わり、新時代を迎えることへの実感が高まるとみられます。

紙幣刷新は新時代への期待の表れ?

こうした中で行われる、今回の紙幣・貨幣の刷新。その影響を考えるにあたって、過去の事例を振り返ってみます。過去の刷新に関しては、次の3回が挙げられます。

まずは、2000年7月の2,000円札の発行です。同月に行われた沖縄サミットに合わせたもので、小渕恵三内閣が1999年10月5日に発行を発表しました。また、2000年8月の新500円玉の発表も、同じ1999年12月3日に発表されています。

2002年8月1日に発表された紙幣の刷新は、当時の小泉純一郎首相が進める構造改革の象徴の1つともみられました。いずれにしても、新紙幣・新貨幣の発表は人々への期待を高める材料の1つとされています。

これらの3回について、発表後の日経平均の動きを見てみました。3回とも、日経平均の水準が異なります。そこで、傾向をわかりやすくとらえるため、発表の前日の日経平均が100ポイントになるようにして動きを見ています。

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