はじめに
家庭料理を中心としたレシピで幅広い年代から支持されている、料理家の栗原はるみさん。そんな彼女が自身初となるプロデュースを務めたシステムキッチンが、4月22日に発売されます。
栗原さんが監修したキッチンは、普通のものとどこがどう違うのでしょうか。4月17日に開かれた発売記念イベントから、その中身を掘り下げてみます。
秘密兵器は可動式ワゴン
これまでに自宅のキッチンを11回改装してきたという栗原さん。今回監修を手掛けた「harumi’s kitchen」には、そのノウハウが惜しみなく注ぎ込まれています。
「キッチンは使い勝手が良いだけでもダメ。シンプルすぎるのも違う。どうしたら自分が1日を楽しく過ごせるか、を念頭に考えました」(栗原さん)
商品全体の色調は、彼女の好きな白と紺色を中心にした配色。ただし、強い紺色はキッチンにはそぐわないため、少しブルー寄りの色合いにしたといいます。
この商品の最大の特徴は、自分で好きな位置に移動させられる「ワークトップワゴン」。上部には人工大理石の天板が付いていて、その上でお菓子やパンを作ったり、ダイニングに移動して作業することができます。
ワークトップワゴンはさまざまな用途に利用可能
通常はキッチンの中に収納可能で、ワゴンの中は広めの収納スペースになっています。自分の使い勝手の良いように中身を入れ替えることで、各家庭の事情に合わせた使い方ができる仕組みです。
都度作り替えられる設計
ほかにも、栗原さんならでは工夫が盛りだくさん。キッチンの側面には折りたたみ椅子が収納可能。ワークトップワゴンと組み合わせて使えば、料理の傍らで子供に勉強させたり、自分で調べものをしたりすることもできます。
キッチンの天板は奥行き70センチメートル。ゆとりをもって料理ができる広さを確保しています。当初は白にしようと思ったそうですが、「傷が気になりにくい色ということでグレーにしました」と栗原さん。
ちょうど利用者の目線の位置にある棚は、下から上に開くデザインで、開けっ放しでも使える作りにしています。その下には扉のない棚を設置。メーカー発想だと、どうしても広く作ってしまいがちですが、あえて狭めの設計にすることで、余計なモノを乗せさせないデザインにしました。
目線の位置にある棚は開けっ放しでも映えるデザインに
サブキッチンの引き出しは、間隔を広めに取り、中の様子がわかるようにしています。中が見えないと、ついつい雑然としがちな棚の中身を可視化することで、どこに何があるか一目でわかると同時に、整理整頓の習慣がつきやすい形にしています。
収納スペースには、あえて仕切りを作らず、自分で自由に変更できるようにしています。利用者に機能を押し付けるのではなく、自分が今持っているものを最大限に生かして、「その都度、変えていく楽しさ」(栗原さん)を感じてもらおうという配慮からです。