キャリア

相場の動きに慌てるな、価値を見抜くために因数分解せよ

分析をする時に必須のスキル

投資信託の活用や株式投資で資産運用をするには、経済や企業の業績が分析できないといけないと思っている人が多いようです。これまでも連載「お金の育て方」で書いてきた通り、将来の事は誰にも分からないので、どれだけ分析しても株価の行方を正確に予測できるわけではありません。しかし、なにも根拠なく投資するよりは、しっかりと分析をして、自分なりにシナリオを立てながら投資をした方が、多少はリスクを低減できるかもしれません。

分析というとすごく難しく感じるかもしれませんが、コツを掴めば精緻な分析もできるようになります。今回はそのコツを共有しましょう。キーワードは「因数分解」です。


目にしている数字が因数分解できるかを考える

マネー雑誌や新聞を読んだり、ネット上でさまざまな投資に関するニュースを見ていると、必ず数字が目に入ります。数字を見た時に、その数字は因数分解ができるのかを考える癖が重要になってきます。因数分解と言われても、意味がわからないかもしれないので、就職活動でよく聞かれる質問例を使って考えてみましょう。

「日本に電信柱は何本あると思いますか?」と聞かれたら、なんと答えますか。「わかりません」がほとんどかもしれませんが、面接で聞かれてる以上、何かしら答えたいものです。この時に、数字を因数分解する癖がついていれば、質問を逆の視点から考えることができます。
 
実際に正確な回答をするには、数字を知っているかどうかですが、この数字がどのように構成されているかを分解すれば、それなりに惜しい数字は言えるのです。

たとえば、100m四方に電信柱が何本くらいあるかを思い出してみます。なんとなく100m四方に何本というイメージさえ浮かべば、あとは日本の面積(38万キロ平方メートル)を割り算すれば、近い数字は出てくるでしょう。つまり、「日本の電信柱の本数」を「100平方メートルあたりの本数」と「日本の面積」に因数分解して考えたのです。

そして、因数分解は細かくすればするほど、予測の正確性が高まります。この例では、「日本の面積」を「都市部」と「田舎」に分けて考えると更によいでしょう。日本の国土のうち、都市部が国土の10%、田舎が国土90%と仮定し、都市部の100平方メートルあたりの本数と田舎の100平方メートルあたりの本数を計算すれば、更に正確性が上がるはずです。

ミクロで使う場合

数字を因数分解する意味がわかったかと思いますが、ミクロの観点ではどのように使えるのでしょうか。たとえば、企業の業績を分析する際にはすぐにこの考え方が適用できます。企業の業績を大まかに表現すると、「売上-費用=利益」といえますが、この3項目を全て細かく分解していくのです。

たとえばA社の去年の売上が100億円とします。今年の売上がいくらになるかを予想するには、去年の売上100億円を因数分解していくのです。ほとんどの上場企業が、単一事業で売上をあげておらず、だいたい複数の事業で売上をたてています。そこで、この100億円を事業セグメント別に分解します。たとえば、A社の売上をセグメント別に分けるとレストラン事業で80億円、ドラッグストア事業で20億円を売り上げていたとします。

そこで、今度はレストラン事業の80億円を分解していきます。この80億円を「1店舗あたりの売上」と「店舗数」に分けて、今年の出店計画などを考えれば、大まかに今年のレストラン事業の売上も予測できるのです。更に、「1店舗当たりの売上」も「初年度の新店舗」と「2年目以降の既存店舗」で分けて考えたりすれば、より正確に売上が予測できます。

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