はじめに

「理解度」ナンバーワンは岩手県

一方、下表は「自分は夫が外で働き、妻が家を守ることが理想である」に対し、「そう思う」「ややそう思う」という回答の合計の割合を計算し、少ない順に並べています。妻が働くことそのものには抵抗が少ない男性たちの多いエリアとみられます。

少ない順

注意点としては、よく見ると米の生産地、いわゆる「米どころ」の都道府県が多くランクインしていることです。

農業は基本、家族経営ですので、それが夫婦共働きイメージの前提となりやすい傾向にあります。したがって、サラリーマンとして妻が外で働くことについての理解はどうかという視点が、この結果だけでは見えにくいという点も念頭において、ランキングを眺めてください。

たとえランキング上位の出身の男性であったとしても、妻が働くことへの考え方だけでなく、「妻が働くということの具体的なイメージ」についても、やはりよく話し合っておいたほうが良さそうです。

「婚活基準」として持つべきものとは?

日本では、1985年に男女雇用機会均等法(採用の際に男女を分けてはならない)、1993年に育児休業法(労働者が育児のために休業する権利を認める)が実装されました。女性が社会に出て仕事をするための法整備が進められてきたとはいえ、働きながら子供を持つには重要な制度の1つである育児休業法が施行された1993年に生まれた女性でさえも、ようやく26歳になったばかりなのです。

つまり、ほとんどの若い女性のお母さん世代は、法整備の問題からみても、家計を支える主たる人にはなることができませんでした。そんなお母さん・お父さん世代の背中を見て育ってきたため、日本ではかなり若い男女でさえも当たり前のように「経済的には男性がメイン、女性はサブ」と思い込みがち、という傾向があります。

しかし、2015年には女性活躍推進法が公布され、女性が「ただ家計の足しに働く」のではなく、社会で活躍できるように後押しする社会がさらに法的にも推進されています。また、専業主婦を理想とする若い女性割合も18%程度となっています(社会保障・人口問題研究所「出生動向基本調査」2015年)。

そんな変革期の社会の中で、漠然と結婚観だけは若い男女でも「お父さんお母さん世代のイメージ」では、話し合うことのないままの結婚後に、ワンオペで苦しむ働く女性が相当数発生するのは当然とさえ思います。

くどいようですが、法的整備の歴史をみても、女性の社会における位置づけの変化のまだまだ過渡期にある日本。そんな変革期に生きる令和時代の結婚難民が、結婚してそのまま「結婚後難民」にならないようにするためには、まずは「イイ人いないかな」の「イイ」の基準をしっかり見つめ直してほしいと思います。

「イイ人」=「相手と結婚後の2人の生活について、結婚前にしっかり具体的に話し合える相手」という婚活基準。そんな婚活基準を、はたしてどれくらいの読者の皆さんが「最優先婚活指針」として持っているでしょうか。

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