住宅購入資金には貯蓄からいくら回せばいい?

ご相談内容にある「貯蓄があっても家の購入はあきらめたほうがいいのか」という点について検討してみましょう。

まず、家の購入予算額はいくらでしょうか。キャリア形成の転職も考えられており、収入面のダウンもあり得るとなれば、貯蓄すべてを住宅購入費に充てることはできません。緊急予備資金として生活費の3~6ヵ月分、できれば1年分は手元に残しておきたいところです。

そう考えると、相談者様が頭金として出せるのは貯蓄総額710万円のうち600万円ほど。そのうち100万円は購入資金にあてず、すぐに使えるお金として残しておきます。投資総額440万円は、いざという時は現金化する必要がありますが、今は老後資金として運用を継続しておきましょう。

それでは頭金を500万円として、現在の住居費8.2万円をもとに予算額を考えてみましょう。

<前提条件>
・頭金:500万円 
・マンション(月2万円の管理費等をプラスして返済する)、または一戸建てを購入する

図表1

例えば、返済期間を32~65歳までの33年間とした場合、借入額を2000万円(マンション)または2650万円(戸建て)にすると、月々の返済額が現在の住居費に近くなります。ここに頭金500万円をプラスした、2500万円または3150万円を購入予算額として考えることができます。もし、月々の返済額を今より抑えたいなら、借入額を1500万円または2150万円にして、頭金500万円プラスした2000万円または2650万円を購入予算額とすることもできます。

相談者様がどちらの地域にお住まいかはわかりませんが、立地、間取り、築年数(新築か中古か)など条件によって物件価格も異なってきますので、予算額を決める際の参考にしてみて下さい。

また、仕事が不安定となるのであれば、病気やケガで長期的に働けず収入が減ってしまうリスクをカバーしておくことも大切です。会社の福利厚生が手薄いことを危惧して、貯めておいた老後資金を減らさないためにも、リスクヘッジは必要と感じます。住宅ローンを組む際は、団体信用生命保険(団信)はもちろん、民間保険で就業不能保障や三大疾病保障付などの保険加入を検討されたらいいと思います。

まずはキャリアプランを明確にした上でマイホーム購入を考える

「歳をとると賃貸で部屋を借りられない」といった不安は払拭されたでしょうか。

そもそも相談者様はベンチャー企業に就職された段階で、ご自身のキャリアプランをお持ちになっていたのではないですか。まずは、キャリア形成を実現させること。そして、マイホームを購入するという順番でも遅くない気がします。貯蓄を積み上げ、リタイア時に購入という手もありますよ。

求めるキャリアを達成するために再度転職、あるいは海外勤務ということもあるかもしれません。家を手放すことになってしまったら本末転倒です。

結婚や家族構成の変化など、将来のご自身の姿をイメージし、どういう人生を送りたいのか、どう成長していきたいのか具体的に考えてみてください。今どうすべきか自ずと答えがでてくるはずです。30年後の漠然とした不安に惑わされることなく、まずは足元を固めてみてはいかがでしょう。

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