老後

結局、老後資金はいくら必要?マイホームは購入すべきか

FPの家計相談シリーズ

自分に必要な老後資金の求め方

まずは、年金生活になったあとの1ヵ月の収支を想像します。先ほどの6つの項目の「1.年金の目安額」から「4.年金受給時の生活支出」を差し引きます。

この金額に、65歳から95歳までの30年間分(360ヵ月)をかけて、95歳まで生きる場合の月々の収支総額を出しましょう。この金額がプラスならひとまず安心、マイナスなら不足分は準備が必要な金額となるため目標が立てやすくなります。

最後は、特別な収入や支出の差し引きです。65歳から95歳までの月々の収支総額に、「2.退職金の有無とその金額」と「3.年金以外の65歳以降の手取収入」を加え、「5.住宅ローンの残高」と「6.ゆとり・予備費用」を差し引きます。ここで出した金額が、ひとまずの目安 です。

なお、手計算が大変という人には、老後に向けての積立額を出すアプリなどもあります。

正確さよりも目安が大事、相談者の老後はいくら必要?

勝手ながら、ご相談者の老後を次のように想定してみました。すると、65歳時に用意しておきたい最低限の老後資金は、440万円になります。

<収入に関するもの>
1.年金の目安額:夫婦で手取月額22万円
2.退職金の有無とその金額:2000万円
3.年金以外の65歳以降の手取収入:0円


<支出に関するもの>
4.年金受給時の生活支出:26万円
5.住宅ローンの残高:賃貸のままなら0円
6.ゆとり・予備費用:1000万円(家電の買い替え、介護費用、旅行費など)

「1.年金の目安額」22万円から「4.年金受給時の生活支出」26万円を差し引くと、月額4万円の赤字です。この金額に30年(360月)を掛けると、月額の収支総額では1440万円不足することがわかります。これに、「2.退職金の有無とその金額」2000万円をプラスして、「6.ゆとり・予備費用」として1000万円を差し引きます。

すると、-1440万円+2000万円―1000万円=-440万円 。つまり、退職金を65歳以降の生活費に充てることができるなら、65歳時に440万円の貯蓄があれば、老後はひとまず安心ということになります。

ご相談者さんのご主人は48歳ですから、65歳までにあと17年あります。440万円÷17年÷12ヵ月とすると、月々約2.2万円を積み立てれば、賃貸住宅のままでも老後資金が準備できます。

iDeCo(個人型確定拠出年金)に月額1.2万円、つみたてNISAで月額1万円を老後のために積み立てることを検討してみてはいかがでしょうか。

なお、こうした試算で重要なことは、正確さではなく、ひとまずの目安 を立てること。「木を見て森を見ず」ということわざもありますが、詳細ばかりを見ていたら、キリがありません。全体を見ることを忘れないように、まずは、大きな動きを確認しましょう。

正解のない「持ち家vs賃貸」

ご質問には「マイホームを購入したほうがよいか」とありますが、持ち家に正解も間違いもありません。

「お金のソントク」が重要であれば、95歳まで賃貸住宅に住んだ場合の生涯住居費と、購入した場合の住宅ローンの総返済額(利息を含めた金額)と固定資産税やマンションなら管理費や修繕積立金を比べると、お金面でのソントクは結論が出ます。購入か賃貸かは、お二人の価値観によって結論を出しましょう。

子育て世帯では、身体にいいものを食べさせたいし、十分な教育も受けさせたいし、医療費も必要ですから、たくさんのお金がかかることでしょう。すべての支出にお金をかけることは難しいため、優先順位や上限予算を決めて、メリハリのある家計を意識してみてください。通信費や保険料など、固定費の見直しは、一度がんばる必要がありますが、改善効果はストレスなく続きますよ。

くれぐれも老後の準備については、「自分の場合」を意識して、計算してみてください。そのうえで、それでも不安が残るのなら、「もしも65歳以降も働くとしたら」「もしも介護でたくさんのお金がかかるとしたら」など、いろんなパターンを想像して、不安を安心に変えていきましょう。

読者のみなさんからいただいた家計や保険、ローンなど、お金の悩みにプロのFPが答える「みんなの家計相談」の過去の記事一覧はこちらから。

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