はじめに
食品用のアルコール消毒はmust
「殺す」はアルコール消毒です。プロの料理人はよく使いますが、家庭ではあまり浸透していないように感じます。
沢辺さんは、台所にはキッチン用アルコールを常備し、手を洗った後は必ず消毒すべきと言います。アルコールは揮発性なので、そのまま食品に触っても問題ありません。
また、保存容器やスポンジ、洗剤入れなどもアルコール消毒し、道具も清潔に保つことが重要です。特に、タッパーのフタの溝や容器の傷などに汚れが溜まりやすいので、溝まできれいに洗い、消毒をしましょう。もちろん、シンクや三角コーナーを清潔に保つことも大切です。
保存容器はタッパー、ガラス、ホーローとさまざまありますが、沢辺さんは「ガラスやホーローは傷がつきにくいですが重いし、高価。安価なタッパーでも、傷が増えたら取り換えれば問題ありません」といいます。
保存容器はタッパーで十分という
お弁当の傷みが心配ならば、除菌シートを使いましょう。お弁当の上に乗せるだけで、菌の繁殖を抑えてくれます。100均ショップでも売っています。
料理の時の注意点は?
菌の種類によりますが、40~50度の温度帯で菌は繁殖しやすいとされます。料理が完成した後、この温度帯をなるべく早く通過させ、20度くらいで冷蔵庫に入れることが大切です。
20度は手で容器を触り、「しっかり熱が取れた」と感じる程度の温度。カレーやシチューなど、粘りがあって冷めにくいものは、鍋ごと水に漬けるなど、ひと手間かけましょう。「温かいまま冷蔵庫に入れるのは絶対にダメ。周りを温めて、庫内温度を上げ、他の食材もダメにしてしまいます」(沢辺さん)。
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味付けは濃いめにするのが良いのかと思いきや、普段と一緒で良いそうです。「食中毒を考えれば濃いめが良いが、あとで味を足せるように薄味にすることが作り置きの基本です」。また、水分をしっかり飛ばすことも重要で、煮物、煮汁は少なめの仕上げるほうがいいそう。唐辛子など防腐効果があるものを入れるのも有効です。
注意深く作っても、梅雨時期の作り置きは3~4日が限界。日曜に作ったおかずは、遅くとも木曜までに食べ切りましょう。カレーなどの温め直しをする場合は、レンジではなく、鍋でしっかり中心まで温めるほうが安全です。
沢辺さんは「一言で言うなら、油断するなということです。家庭での食中毒は届け出義務がないので表に出ませんが、たくさん起きています。家族に安全なものを食べさせるためにも、この時期は特に注意深くなりましょう」と警鐘を鳴らします。