はじめに

国内最大のフリーマーケットアプリとなったメルカリ。当たり前のように使いこなす人が増える一方、「出品してみたいけど面倒くさそう」と躊躇(ちゅうちょ)している人がいるのも現状です。

そこで、メルカリがコインランドリー業者とタッグを組み、コインランドリーに撮影ブースを作ってしまうという新たな実証実験を始めました。洗った服をその場で出品できるという新しい発想です。

いったいどんな施設になっているのでしょうか。報道陣向けに一足早く公開された店舗を取材しました。


洗濯・撮影・梱包がワンストップ

メルカリと業務用クリーニング機器メーカー「TOSEI」が6月26日から実証実験を始めるのは、TOSEIが直営する「TOSEI Laundry」の東中野店、川口並木店、平台店の3店舗です。期間限定で、コインランドリー内に撮影ブースやメジャー、無料の梱包資材を置きます。

東中野店を訪れると、大きな洗濯乾燥機が何台も並ぶコインランドリーの入り口に、撮影コーナーが設置されていました。コーナーにはハンガーラックや照明、背景用の背面パネルが設置され、出品した衣服をつるして撮影できるようになっていました。


設置された撮影コーナー

持ち帰りも可能という紙製のメジャーが用意され、出品の際に必要な服のサイズを採寸することもできます。ライトの強弱が調整できたり、靴や小物の撮影ができる平置きのスペースがあったりと、ストレスなく、見栄えのいい写真が撮れそうな空間です。

ゆうパケット用の段ボールやビニール袋などの梱包材も無料で用意されていました。さらに、コインランドリーから徒歩1分の距離には「メルカリ便」が使えるコンビニがあり、洗濯をした衣服をそのまま発送できるようになっていました。

利用客の声からアイデア

このアイデアを発案したのは、TOSEI主任研究員の須田雅太郎さん。別店舗で掃除をしていた時、休憩コーナーの机にワンピースを広げ、熱心にスマートフォンで撮影する若い女性を見かけました。

「何しているの?」と声をかけると、メルカリに出品するために写真を撮っているとのこと。「自宅の壁が背景だと生活感が出てしまう」「床に置いて取るとつま先や自分の影が映りこむ」などと、いろいろと話をしてくれたそうです。

以前から、女性のコインランドリーの利用機会を増やしたいと考えていた須田さんは、メルカリ社に撮影ブースを置けないかと相談。メルカリ側も以前から、「家で撮影するのが大変」などのユーザーの声を把握しており、すぐに設置が決まったそうです。

7月からは設置店を拡大し、首都圏50店のコインランドリーに撮影用ラックを置く計画です。メルカリの担当者は「気持ちよく使ってもらうために、出品前に洗濯をするというユーザーは多く、コインランドリーは撮影や出品に適した場所。出品のハードルを下げ、ユーザーを増やす施策をやっていきたい」と話します。

[PR]NISAやiDeCoの次は何やる?お金の専門家が教える、今実践すべきマネー対策をご紹介