ユニコーン投資のリスクを考える

では、発展ビジョンや収益化計画がしっかりしているユニコーン企業であれば、投資しても良いのかというと、決してそんなことはなく、リスクにも十分に注意する必要があります。ユニコーン投資で想定される主なリスクとしては、(1)資金が底をつくリスク、(2)競合他社と長期の消耗戦に入るリスク、(3)株価が過大評価されるリスクなどがあります。

このうち(1)と(2)のリスクは同時に起こることが多く、予想外に強力な競合他社、もしくは多数の競合他社が現れたことで、短期間で一気に知名度と市場シェアを高めるという戦略目標の達成が困難になります。

そうなると、企業は延々と巨額の資金を投入し続けるか、もしくは市場から撤退するかの選択を迫られ、ユニコーンはお金がかかるただの“ロバ”に成り下がってしまいます。

その典型例が、中国のシェアリング自転車大手のofo(オフォ)です。

同社はシェアリング自転車ブームの火付け役として、2015年以降、急速に事業規模を拡大してきました。しかし、競合他社としてmobike(モバイク)が市場に参入したことで、両社ともに巨額の赤字を出し続けて消耗戦に入りました。結果、ofoは破産寸前になり、mobikeも赤字に耐えきれず、美団点評に買収されました。

“名馬”を見つけ出すための方策

また、(3)株価が過大評価されるリスクについては、株式市場で投資する人にとって最も警戒すべきリスクです。元ユニコーン5社の株価動向を見ると、うち4社の株価が上場後に大幅に下落しており、上場前の評判や人気だけで投資するのはリスクが大きいといえます(冒頭の表参照)。

ユニコーン企業は確かに成長のポテンシャルが大きいものの、同時に成長をめぐる不確実性も大きく、経営指標のみならず発展ビジョンも合わせて分析する必要があります。できればサービスや製品を実際に体験しながら、企業が発展する道筋を想像してみるのも新たな発見につながるでしょう。

ユニコーン一覧

今後、さまざまな中国のユニコーン企業が株式公開を行うと思いますが、ぜひ伯楽になった気分で名馬、ではなく真のユニコーンを見つけてはいかがでしょうか。

<文:市場情報部 アジア情報課 王曦>