老後

老後不安の解消は「知ること」から、年金受給額を算出する方法

FPの家計相談シリーズ

60歳以降働いた場合は、その分、年金額が増える

最近の会社の多くは、定年延長や再雇用制度の導入などにより、60歳以降も働けるようになっています。60歳以降も厚生年金に加入した場合は、その分、老齢厚生年金額(報酬比例部分)も増えます。

仮にご主人が、60歳から65歳までの5年間、年収400万円で就業した場合、先ほどの計算式にを当てはめると、<5,500円×4×5年=110,000円>となり、11万円年金額を増やすことができるので、先ほどのご夫婦の年金見込み額362万円に加えると、年額373万円(月額約31万円)の年金額となります。

老後の生活費いくら必要?ゆとりある老後は月34.5万円

老後に必要な生活費は、ご夫婦の生活水準によってさまざまですが、一般的な統計データを示すと以下の通りです。

・高齢夫婦無職世帯の1か月の平均支出: 23.5万円(消費支出)(※家計調査年報2018より)
・夫婦2人のゆとりある老後生活費: 34.5万円
・夫婦2人の老後の最低日常生活費: 22.0万円
(※生命保険文化センター「生活保障に関する調査」/平成28年度)

給料と同じように、公的年金からも所得税・住民税や国民健康保険などの税・社会保険料が引かれます。年収や家族構成などによって税・社会保険料の金額が変わるので一概に言えませんが、一般的には年金額に対して5~15%が控除されます。相談者様の場合、仮に10%として、月額の手取りは約28万円と計算されます。統計データの数値は、税や社会保険料は含まれていませんので、この手取り額と比較してみます。

最低限必要な日常生活費(22万円)や平均的な年金生活者の支出(23.5万円)は、相談者様ご夫婦の年金(手取り28万円)で十分に賄えているといえるでしょう。これは、夫婦共働きの正社員で厚生年金に加入していることが大きいといえます。世間で言われているような、「老後の赤字のための2000万円を準備する必要がある」には該当しません。

ただし、統計上のゆとりある生活費(34.5万円)には、少し足りないです。ゆとりある生活は、人それぞれだと思いますので、相談者様の場合、平均的な生活費は十分に確保できていることを前提に、プラスアルファでどのくらい上乗せを希望するかが、これからの準備すべき老後の資金となります。

例えば、ゆとりある生活は、心身ともに元気な65歳から80歳までの15年間とし、80歳以降は年金の範囲で暮らすとした場合の必要な老後資金は、(34.5万円-28万円)×12ヵ月×15年=1,170万円と計算されます。この金額を老後のための準備資金の目標としておいてみます。

相談者様には、退職金制度がないということなので、これを自助努力で準備する必要があります。1,170万円を60歳までの25年間で貯金(運用は見込まない)すると、毎年46.8万円(月額3.9万円)と計算されます。これを、例えば、iDeCo(個人型確定拠出年金)で積立投資をする(利回りを2.5%と想定)とした場合、毎年約33.6万円(月額約2.8万円)が必要になります。

現状を把握することから、老後の不安は解消できる

将来の老後不安を解消するためには、少なくとも、現状を把握し、目標を設定し、それに向かって準備しなければなりません。それをやらないと、いつまでたっても不安は解消されません。

自分たちの年金額を正しく知り、そこから、ふたりで老後をどのように暮らしたいか考え(=どのくらいの資金が必要か見積もる)、不足資金から老後資金の目標額を定め、目標額を実現できるように積み立て投資を行うという流れになります。

ぜひ、ご夫婦で今回の相談内容をシェアしていただいて、将来のイメージを共有して、目標に向かって進んていきましょう。

読者のみなさんからいただいた家計や保険、ローンなど、お金の悩みにプロのFPが答える「みんなの家計相談」の過去の記事一覧はこちらから。

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