はじめに

自分流の質問で、コミュニケーションを楽しむのが大事

ー初対面との方との質問の仕方でポイントはありますか?

初対面の場合、本題の以外の質問で会話がスムーズになることが多いです。もちろん、横道にそれすぎては駄目ですが、本題以外の話題を準備して、質問してみるといいかもしれません。

といっても、刑事のように「ご出身はどちらですか?」「学校は?」「趣味は?」とプライベートな内容を矢継ぎ早の尋問調で質問するのはNGです。コミュニケーションは自然さが一番です。自分の情報も出しつつ、その時に気になったことを素直に聞いてみると、結構、話がはずんだりするものです。

真面目な人ほど、質問を特別なものだと考え過ぎてしまうため、かえって何もできなくなってしまいがちです。でも、相手から何かを引き出そうと考えるのではなく、まずは会話を楽しむぐらいの気持ちでいいんです。「今日、開花宣言が出ましたね」「昨日まで、出張だったそうで大変でしたね」などと、相手が「はい」か「いいえ」で答えられる「同意の質問」から入っていけば、相手も身構えず答えてくれるでしょう。

初対面の場合は、お互いに緊張していますし、見栄もあって賢くみせようとして難しいコメントや質問をしようとしがちです。けれどもまずは、緊張をほぐすための質問でウォームアップをしてみてはいかがでしょう。

ー著著の『仕事のできる人が絶対やらない質問の仕方』の中では、他にも色々な「質問の仕方」が紹介されていますが、とくに読者の方に伝えたいことは何でしょうか?

そうですね……。最初にも少しお話ししたように、その時だけやろうとおもっても上手な質問の仕方をすることはできません。普段から質問をするくせをつけておく必要があります。また、質問の先には相手が必ずいますから、この人にここでこの質問をするのは適切なのかということを、質問する前に少し立ち止まって考えてみること。そうした練習の1つとして、この本を参考にしてもらえると嬉しいです。

本を読んで、この質問の仕方がいいな、使ってみたいなというものがあれば、ぜひ実際に声に出して使ってみてください。読者の皆さんが、自分の仕事やプライベートに合わせて実践していく中で、自分流の質問を生み出して、コミュニケーションを楽しむ助けとしてくだされば幸いです。

(文責:日本実業出版社)

松本 幸夫(まつもと ゆきお)
ヒューマンラーニング株式会社代表取締役。スピーチドクター。学生時代から強度のアガリ症で悩み、克服のために話し方教室から、武道・ヨガなどあらゆる分野に挑み心の強化をはかる。やがて、話法を駆使すれば人生が好転するという信念のもとに、企業内研修講師を始め、同時期にビジネス書作家としてデビュー。作家と講師の二刀流で今年で33年になる。話し方・中でも質問話法には定評があり、ラジオ・テレビでも活躍。

仕事のできる人が絶対やらない質問の仕方 松本幸夫 著


好評「絶対に~しない」シリーズの1冊。研修などで質問の効用を説く松本氏が、「良い質問例」「悪い質問例」を比べ、質問の方法を解説。効果的な質問で、会話は流暢に続く。的確な質問は核心をつく。質問上手はビジネスもプライベートもうまくいく!

(この記事は日本実業出版社からの転載です)

この記事の感想を教えてください。