はじめに

独立委、指名・報酬委の決定を無視?

取締役の使命は、株主に成り代わって会社の業務執行に携わっている人たちを監視することですが、日本はその業務執行に携わっている人自身が、取締役も兼務することが一般化している、世界でも珍しい国です。

自分で自分を監視するわけですから、外国人投資家の目には実に奇異に映ります。このため、近年は客観的な立場から業務執行を監視する「社外取締役」を増やすことが求められています。

アスクルには10人の取締役がいますが、このうち業務執行に係わっているのは岩田社長を含め4人。残りの6人は社外取締役です。

この6人のうち2人は大株主のヤフーから、1人はプラスから派遣されていますが、残る3人は経営陣とも大株主とも無関係の独立社外取締役です。この3人の使命は、大株主以外の株主の利益を守ることにあります。監査役も4人中3人が社外です。

アスクルは取締役、監査役の候補者の指名や重要な役職者の選任、彼らの報酬額などを審議・決定する「指名・報酬委員会」を設けています。その構成メンバーは独立社外取締役3人+社外監査役1人、それに顧問弁護士と岩田社長の計6人です。

社長がお手盛りで各役員の給与を決め、社長以外は誰も各役員がいくらもらっているのか知らないというのがかつての日本の上場会社の平均的な姿でした。しかし、近年はガバナンス(企業統治)の透明化が叫ばれ、指名・報酬委員会を設置する会社は増加傾向にあります。

アスクルでは、ヤフーにLOHACO事業を譲渡することが妥当かどうか、つまりヤフー以外の株主にとって不利益ではないかどうかを、独立社外取締役3人+社外監査役3人で構成される「独立委員会」を設けて検討しています。結論はノーでした。

また、定時株主総会に会社として提案する役員候補者も指名・報酬委員会で決定しています。LOHACO事業の収益が改善方向に向かっているので、現経営陣の維持が妥当と判断しています。

業績

いずれもコーポレートガバナンスコードで推奨している方法ですが、それでも岩田社長の役員選任議案に反対するということは、その決定を無視するということに他なりません。独立委員会は一連のヤフーの対応を問題視、業務資本提携の解消が妥当だとも言っています。

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