はじめに

ボーナスの回数は2回と4回どっちがお得?

ボーナスの額面が給与にくらべてとても多いという会社があります。その理由は、以前は、ボーナスを含まない金額ベースで社会保険料を計算していたことが大きいでしょう。

しかしながら、2003年4月の制度改正から、ボーナスを含む年間の総報酬制で計算することになりました。ボーナスをたくさんもらう人が社会保険料の支払いをしないのは、不公平だからです。

しかし、「年4回以上支給する賞与については給与(報酬)とみなす」という規定があるので、年4回以上支給される賞与は、賞与と名称が付いていても社会保険料の計算上は毎月の給与に、分割した賞与が上乗せされた形で社会保険料を納めることになります。

年4回以上の賞与制度で社会保険料の納付について節約になるのは、年収が762万円を超えるような人の場合です。厚生年金保険の標準報酬月額(社会保険料の計算に使う4月、5月、6月の3か月間に支払われた給与の平均額)に上限額があるからです。会社側も保険料の半分を負担しますから、効果は大きいでしょう。

年3回までのボーナスの場合は、ボーナスの額を保険料の算定になる標準報酬月額には含めません。病気になって傷病手当金などの給付を受ける場合には、年4回以上のボーナスほうが有利になります。

税金に関しては、年末時点で年末調整をして計算し直すので、ボーナスの額を深く考える必要はありません。

社会保険料の面からではなく、賞与を2回から4回にする会社もあります。これは、4半期ごとの業績を賞与に反映することで、従業員に対してより業績に意識を向けてもらうことが狙いだそうです。また、会社にとっては賞与の回数が増えれば資金繰りが平準化されます。

ボーナスの回数の事情は…

ボーナスの回数が多くなったからといって、単純に喜べない事情があるようです。

賞与制度を変えることによって、会社の業績と個人やチームの結果が伴っていない場合には、査定に響いてきます。業績や成長をこれまで以上に求められるかもしれません。ボーナスの回数が多い制度は、20代で年収が1,000万円を超える会社や、外資企業に採用されています。

これくらいのボーナスの支給があるだろうと予想して生活設計をするのは、難しい時代に入ってきたといえます。

<参考>
国税庁 平成31年(2019年)分源泉徴収税率表

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