はじめに
夏休みシーズン真っ只中。旅行に出かける人も多いでしょうが、お盆期間中はどこも混んでいるし、ゆっくり自宅で休みを過ごす人も少なくないはず。とはいえ、学校も休みの時期になるため、お子さんがいる家庭では「昼ご飯の準備も毎日大変」となりかねません。こんな時期の人気メニューといえば、カレーライスです。
このカレーライス、株価と深いつながりがあるのです。実は以前、カレーライスと株価の関係を調べたことがあります。その結果は「カレーライスを食べる人が多いと、株価が高い」というものでした。
景気が良いと、仕事が忙しくて料理をする時間もなかったり、レジャーや習い事などさまざまなことに時間を使うなど、金銭・気持ちの両面で余裕が出るため、家庭で作り置きできるカレーが人気になるというのが、その理由でした。
しかし今回、もう少し視点を変えて分析してみると、まったく別の結果が見えてきました。
カレーが最も食べられる月は?
まずは、総務省統計局の「家計調査」で、1世帯当たりの月別カレールウ支出金額を調べてみました。2018年までの過去10年で平均すると、夏休みシーズン入りの7月は137円で、12ヵ月の中で1位となりました。
実は1位の月が2つあって、3月も同じ支出額でした。3月といえば春休みシーズンです。その次に多いのが8月の133円。やはり、休みシーズンに需要が高まる料理であることがわかります。
今回は、ここにハンバーグのデータも加えて分析してみました。ハンバーグもカレーライスと同じ、子どもに人気の料理です。同じデータでも見方を変えると別の示唆ができるのは、データ分析の醍醐味でもあります。
結論としては、「8月のハンバーグ支出の伸びがカレールウのそれを上回ると、秋の株価が高い」ということになりました。具体的に見てみましょう。
ハンバーグが伸びると株高になるワケ
2004年以降で、毎年8月のハンバーグとカレールウの家計の支出を取り出します。そして、それぞれ前年の8月との比較をします。どれだけ前年比で伸びたかの伸び率を計算するのです。さらに、カレールウに比べてハンバーグがどれだけ上回って伸びたかを求めました。
一方、関係を見るための株価は、9月から翌10月までの2ヵ月間の騰落がどのくらいかを観察しました。グラフからは、おおむね連動した推移が見られます。
この理由はとても単純。「かかるコスト」が主因です。
カレーライスは一般のカレールウを使って大量に作り置きできるので、肉の値段にもよりますが、1食当たりのご飯代を入れても100円を下回る費用でも作れそうです。一方のハンバーグは、こちらも値段に幅はありますが、1食300円程度か、それを上回ったりします。
やはり、同じ子どもに人気のメニューでも、家庭で懐に余裕がある時のほうがハンバーグとなり、余裕がない時にはカレーライスとなりやすいのでしょう。こうした景気状況を反映した株価推移になっているようです。
さて、足元の8月はどうでしょうか。近所のスーパーでカレーよりも、レトルト食品などでもハンバーグを選ぶ人が多いようなら、これからの株高が期待できます。