はじめに
規模が大きくなれば副業も立派な事業
サラリーマンは、副業の収入(ダブルワークの給与など)が20万円を超えたり、副業の利益(自分で事業をしたり、フリーランスとして働く場合は収入から経費をひいたもの)が20万円を超えると、確定申告が必要です。
副業とはいえ、それだけでも生活ができるくらい稼いでいる人もいます。その場合は税務署などに開業届を出して、個人事業主として確定申告することを考えてみてもよいでしょう。
「毎年3月15日まで」、もしくは「その年の1月16日以降に開業した人は開業日から2ヵ月以内」に、税務署に青色申告承認申請書を提出すれば、副業でも申請した年から青色申告することが可能となります。
本業の年収が500万円で、副業での利益(収入から経費をひいた残り)が200万円にもなれば、青色申告による節税効果はかなりの額になります。
会計の知識がなくても使いやすいクラウド会計ソフトなどを利用すると、年間の利用料は1万円ほどかかりますが、確定申告書の作成までサポートしてもらえる上に、青色申告特別控除が最大で65万円も受けられるため、この場合の節税額は住民税も合わせると20万円にもなります。
大事なのは利益を出していくこと
テレワークの導入や残業規制など、これから副業を始める人にとっては自由な時間が増えるチャンス。今年からプレミアムフライデーも導入され、これが浸透すると毎月最終金曜日に副業にじっくり取り組む、そんな人も増えるかもしれません。
副業で利益が出てくると、家庭を持つ男性は「稼いだお金でなにか投資をしよう」と考え、女性は会社を卒業して起業したり、フリーランスとして独立する道を選ぶ人が多いように思います。
どちらの方にも忘れてほしくないのは、「その事業、利益は出ていますか?」ということです。
たとえ収入を得ることができていても、そのために多大な時間を要していたり、学びに使う費用が多すぎたり、お客様から受け取るお金が少なすぎることがあるからです。
一人で事業を立ち上げると、営業、サービス、事務などの間接業務などをすべて自分で賄わなければならないために、時給という物差しで計るのはむずかしいところがあります。
ただ、クラウドソーシングなどには計算してみると時給300円にも満たないようなお仕事が横行している昨今、今の仕事や学びが未来への投資になっているのか、事業のあり方を日々見直していく必要がありそうです。
海外のある調査では、金銭的な不安よりも人間関係や健康など心身の不安を取り除くほうが“4倍も幸福度を高める”といわれていますが、もちろん、ある程度の金銭的な生活基盤が担保されていないと、安心して生活を送ることはできません。
節約にも一定の効果がありますが、物価上昇の局面ではそれにも限界があります。
出世して収入が増えるようにガムシャラに本業をがんばるもよし、投資に挑戦するもよし、副業を始めてみるもよし。この春、心新たに収入を増やすためのチャレンジをスタートしてみてはいかがでしょうか。