はじめに

このままでは“保険貧乏”に?まずは月収6ヵ月分の貯蓄を

1年間の保険料は87.6万円です。貯蓄性がある保険に加入されており、将来のための準備ではあるものの、「もしものときは安心だけど、今、使えるお金がない」という、“保険貧乏”になってしまっています。

現在の貯蓄額は40万円と、月収を下回った状態です。保険は必要最低限にして、貯蓄額を増やしましょう。第一目標は、月収の6ヵ月分です。

まずは、医療保険の見直しです。

ご主人が、国民年金&国民健康保険から、厚生年金&健康保険に加入されます。今までは、1ヵ月の医療費の上限が約9万円となる「高額療養費」制度しかありませんでしたが、「傷病手当金」の保障が加わります。傷病手当金は、会社を連続3日休み、4日目以降も働けず、十分な給料が出ないときに、健康保険が収入の約3分の2をサポートしてくれる制度です。これにより、毎月1万円支払っているご主人の医療保険の減額や解約ができます。

また、お子さんの医療保障は、自治体の乳幼児・子ども医療費助成制度がありますし、学校でのケガについては、自己負担がゼロ円となる日本スポーツ振興センターの「災害共済給付」制度があります。「あったら安心」ではなく、本当に必要な保障に絞って加入することで、保険料を減らしましょう。
 
次に老後の備えです。

個人年金保険は、老後資金の準備方法の一つであり、個人年金保険料控除が使えます。現在、個人年金保険料として年間38.4万円を支払っていますが、年収400万円の方が個人年金保険料控除4万円を利用した場合に安くなる税金は、1年あたり4800円です。

同じ老後資金目的であれば、iDeCo(個人型確定拠出年金)もあります。会社員の掛金上限となる年間27.6万円をiDeCoで積み立てると、小規模企業共済等掛金控除27.6万円が使えるため、1年あたり4万1600円の税金が安くなり、税金上有利です。

とはいえ、今まで積み立ててきた個人年金保険を解約すると、支払った保険料よりも少ない金額しか戻ってこないため、減額あるいは払い済みを保険会社に相談しましょう。

保険と家計の見直しを行ったうえで、収入の6ヵ月分の貯蓄ができたら、掛金月額5000円から加入できるiDeCoを検討しましょう。

リボ払い家計からの脱却を

気になるのがリボ払いです。リボ払いの手数料は、低いところでも10%程度かかります。節約をして家計を引き締めながら、一方で手数料を払っていたのでは、家計は改善しません。

これからは、ローンを利用するのはマイホーム、または、ご実家を受け継ぐときのリフォームのみというルールを作って、リボ払いから抜け出しましょう。

遠い将来だけではなく、近い将来のマネープランも描いて

老後に教育費、終の棲家と、遠い将来のことはしっかりと考えていらっしゃいます。そこで、近い将来のこともプランニングしませんか。

たとえば、車の買い替え。今の家計状況が続くと、「車を買い替えなきゃいけない。でも、お金がない。カーローンを組もう!」となる可能性があります。そこで、逆算の準備術です。

たとえば、10年ごとに200万円の車を買い替えるとすると、これを逆算して準備します。200万円÷10年÷12ヵ月=約1.7万円。つまり、毎月1.7万円の自動積立を行えば、車の買い替え予算が貯まります。貯まったお金を使う目的は、最初から車の買い替えですから、「このお金で車を買おう!」という前向きな気持ちでお金を使うことができます。

教育費を逆算してドル建て終身保険で貯めていらっしゃるように、他の支出も逆算して準備することで、楽しくお金が使える仕組みを作っていきましょう。

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