生活

精神科の医療費が"3割負担から1割負担"になる自立支援医療制度

「うつ病は心の風邪」なんかじゃないから知っておきたい

申請に必要な5つの書類

自立支援医療の申請に必要な書類は以下の5点です。

<自立支援医療費(精神医療)支給認定に必要な書類>
①自立支援医療費支給認定申請書
②自立支援医療診断書(精神通院)
③健康保険証
④「世帯」の所得状況が確認できる書類
⑤個人番号(マイナンバー)の記載に必要な書類

流れとしては、まず主治医に自立支援医療を利用したいことを話し、了解が得られたら、最寄りの自治体の役所か保健所で、①自立支援医療支給認定申請書と②自立支援医療費診断書(精神通院)の書類を貰いましょう。役所の受付で「自立支援医療の書類が欲しい」と言えば、どこへ行けばいいか教えてくれます。

申請書の記入内容などは自治体によって異なります。横浜市など、申請書をインターネット上からPDFでダウンロードできる自治体もありますので、最寄りの自治体のホームページなどで確認しましょう。

役所で書類をもらう場合には、障害福祉課あたりに用意されていることが多いです。そして、次回の通院の時に、医師に②自立支援医療費診断書の用紙を渡します。よく記入を求められる用紙なのだから、医師の方でストックしてくれればいいのに、と思ってしまいますが、どうも用紙を持ってくるように言う医師が普通のようです。

診断書を医師に記入してもらう際、この診断書代には健康保険がききませんので、5,000円程度かかる場合があります。医療費の3割負担が1割負担になることで、そのうち減価償却できると思って諦めましょう。

1週間くらいで医師は記入してくれると思いますので、次回の通院のときか、急ぐ場合はそのためにクリニックに行って記入された診断書を受け取ります。この診断書には、医師が自分の病気をどう診断しているかが書かれているので、読むと興味深いのですが、通常は封がされていて見ることができません。

役所で提出する際に、職員は封を切って中身を確認しますが、ある人は、このとき封を切った診断書を広げたまま職員が窓口の奥にいったん引っ込んだので、そのときに診断内容が目に入ったそうです。

医師が自分が思っているより深刻な診断を書いていて、ショックを受けたりするかもしれませんが、自立支援医療の認定を得るためには、病気であることをはっきり明記しなければならないという側面もありますから、あまり重く受け止めなくてもいいのではないかと思います。

②の診断書を受け取ったら、①、③、④、⑤もそろえて役所にいくわけですが、①自立支援医療費(精神通院)支給認定申請書は、あらかじめ自分で記入してから持っていってもいいですが、よく分からなければ、白紙のまま役所の窓口に行っても、記入の仕方を教えてくれるでしょう。

申請書には、医療機関と薬局の名前と住所、そして、医療機関コードと薬局コードを記入する欄があります。1割負担になるのは、指定した医療機関と薬局だけです。複数の医療機関や薬局にかかるのは、治療の統一性という観点から見てもよくないので、この時にひとつに定めましょう。

医療機関コードと薬局コードは普通は分からないでしょうが、役所の職員が調べて記入してくれますから、空欄のまま持っていっていいでしょう。

③の健康保険証は、いつも持っているものを持参しましょう。もし保険料の滞納などで健康保険証を持っていないという場合は、まず健康保険証を再発行する手続きから必要になります。

④「世帯」の所得状況が確認できる書類とは住民税の課税証明書、または非課税証明書のことです。これは役所の税務課で貰えます。これがなぜ必要なのかというと、課税額によって、1割負担が適用される医療費自己負担額の上限が異なってくるからです。

診療費の累積額が月ごとに一定金額以上を超えたら、以降はそれ以上負担する必要はなくなります。この額は一番課税額の低い人で2,500円。つまり、ほとんど収入がなく、税金を少ししか払っていない人は、自立支援医療制度を使えば、月の医療費と薬代の合計が2,500円を超えることがなくなります。もっとも課税額の高いカテゴリの人では、この自己負担額の上限は2万円になります。

このときやっかいなのが、本人だけでなく、同じ世帯のほかの納税者の(非)課税証明書も必要になることです。たとえば妻が申請する場合、夫の分の証明書も必要になります。妻が役所で夫の証明書を発行する場合は、夫による委任状が必要になります。委任状の用紙は役所に置いてありますが、ワープロ書きに委任する人の自筆の署名、印鑑を押したものを持って行っても大丈夫なケースも多いです。その際の文面については、役所に電話するかホームページなどで確認するのがいいでしょう。

問題なのは、この委任状が家族からすんなりもらえない場合です。精神医療に理解のある家族ならいいですが、精神疾患の患者の家族が精神疾患に理解がないケースというのは往々にしてあります。

医療費を安くするための手続き上のことだと言って、ササっと署名と印鑑だけもらってしまいましょう。どうしてももらえない場合は役所に相談してみてください。本人がその家族と扶養関係にないと認められた場合は本人の(非)課税証明書だけでいい場合もあります。

⑤の個人番号(マイナンバー)の記載に必要な書類は、マイナンバー通知カードでも大丈夫です。マイナンバー通知カードが送付されたのは2015年ですから、とっくにどこに行ったから分からなくなったという人は再発行が必要になりますが、これも役所で相談してみてください。

診断書の提出は2年に1回

これらの書類を揃えるのは、健康な人ならなんでもないかもしれませんが、精神的に具合が悪い人にとっては、困難な場合もあるのではないかと思われます。ドラクエ1では「にじのしずく」という重要アイテムを入手するために「ロトのしるし」と「銀の竪琴」と「雨雲の杖」を集める必要がありましたが、そういうゲーム感覚で取り組めば書類を揃えるのも楽しくなら…ないでしょうか。

書類が思うように揃わない場合でも、役所の担当窓口(主に障害福祉課か保健所)で相談すれば、いろいろと助けてくれるでしょう。書類が揃って無事申請が完了すると、1〜2ヶ月で「自己負担上限額管理票」というものが送られてくるので、医療機関と薬局でそれを呈示することで、1割負担になります。この自立支援医療は1年ごとに更新手続きをする必要があるのですが、診断書の提出は現在2年に1回でいいことになっています。

長期にわたって薬を服薬するのは不快なことかもしれませんが、処方が適切であれば、薬を飲むことで状態が安定して、さほどの副作用もなく、立派に会社で働いたり、家庭生活を営んでいる人も大勢います。無理なく受診、服薬を継続するためにも、ぜひ自立支援医療制度の利用をすることをお薦めします。

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