はじめに

みなさんは、お住まいの地域でご近所とのおつきあいはどうしていますか?挨拶したり、ときどき世間話をしたり、回覧板を回したり、一緒に清掃活動したり、お祭りなどのイベントに参加することはあるでしょうか。

「近所づきあい」といえば、トラブルをどのように避けながら、適度な距離で近隣住民と交流していくか…といった、少し「やっかいなもの」として話題やニュースになることが少なくありません。騒音やペットのこと、地域によって分別方法が異なる「ごみの出し方」のトラブルはその典型例かもしれません。

また、自治会や町内会の班長などの役割が持ち回りでくると、隣近所だけでなく区画全体に関わることになるので、負担に感じることもあるでしょう。一戸建てかマンションなどの集合住宅などの住まいの形態によっても、隣近所とのつき合い方はさまざまです。

こうした、ネガティブな印象をもたれがちな「近所づきあい」ですが、では、人びとは本当に近所づきあいを「したくない」と思っているのでしょうか。


いざという時に、うまく連携できるか「不安」に感じている

第一生命経済研究所で実施したアンケート調査(2019年)では、お住まいの地域で感じることについて聞いたところ、「地震や豪雨等の災害の時、うまく連携して助けあえるか不安だ」と思っている人が最も多い結果になりました(31.9%)。

地域でのつながりが希薄になり、自治会や町内会などの活動が活発でない地域が増えているといわれて久しいですが、人びとの実感としても「近所づきあい」は身近なものではなくなりつつあるのかもしれません。

近所づきあいが「わからない」

次の図2は、近所付き合いの状況を示したものです。「親しくつきあっている」「あいさつする程度」と何かしら近所とのつきあいがあると回答した人は8割、「つきあいはほとんどしない」人が2割いることがわかりました。

さらに「近所づきあい」の今後をどうしたいか意向を尋ねたところ(図表3)、「つきあいを減らしたい」人よりも「わからない」と回答した人が多く、1割を超えていました。

その理由をみると、「近所の人のことがよくわからない」「つきあい方がわからない」「特に必要と思わない」といったものが多く(図表省略)、近所づきあいを敬遠しているというよりは、近所づきあいをしたことがないために、隣近所とどのようにつきあえばよいのか、つきあうべきなのか(メリットがあるのか)わからない、そうした人が「近所づきあいをしない」ことを選んでいくのではないかと考えられます。そして、こうした近所づきあいがわからない人は、今後も増えていくことが予想されます。

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