はじめに

読者のみなさんからいただいた家計や保険、ローンなど、お金の悩みにプロのファイナンシャルプランナーが答えるFPの家計相談シリーズ

今回の相談者は、企業型確定拠出年金の運用成績がマイナス続きだったという63歳の女性。やめるわけにもいかず、この先どうしたらいいのか悩んでいるといいます。FPの横田健一氏がお答えします。

職場でライフデザイン手当として確定拠出年金に加入しています。3つの銘柄を選んでいましたが、マイナス続きのため1つを残して定期預金に変えました。しかし、マイナスになった分は取り戻せないままです。どのような商品を選ぶと利益を出せるのかわからず困っています。今までに100万円くらい拠出していますが、やめることもできず、メリットもないため積立額を最低金額まで減らしました。この先、どうしたらいいでしょうか。アドバイスをお願いします。


〈相談者プロフィール〉
・女性、63歳、バツイチ、子供2人はすでに独立
・職業:会社員
・居住形態:持ち家(戸建て)
・毎月の世帯の手取り金額:22万円
・年間の手取りボーナス額:40万円
・毎月の世帯の支出目安:14万円


【支出の内訳】
・住居費:なし
・食費:3万円
・水道光熱費:1.5万円
・教育費:なし
・保険料:1.5万円
・通信費:1万円
・車両費:1万円
・お小遣い:3万円
・その他:3万円


【現在の資産状況】
・毎月の貯蓄額:8万円
・現在の貯蓄総額:300万円
・現在の投資総額:120万円
・現在の負債総額:なし


横田: ご相談いただきましてありがとうございます。株式会社ウェルスペントのファイナンシャルプランナー、横田健一です。お勤め先で加入されている確定拠出年金について今後どうしたらいいのか、というご相談ですね。

まずはリタイアメントプランから考える

確定拠出年金について確認する前に、現在63歳ということですので、まずはリタイアメントプランから確認させていただければと思います。というのも、今後、どのくらい収入があり、どの時点でお金が必要になるかによって、確定拠出年金のお金をどうするべきかが変わってくるからです。

では、早速、リタイアメントプランについて確認していきましょう。

まず、公的年金をどのくらい受け取れるのか、ねんきん定期便か、もしくは日本年金機構に問い合わせるなどして、確認しましょう。どのくらい受け取れるかは人それぞれです。国民年金には第1号、第2号、第3号と3つの被保険者区分がありますが、どの区分でどのくらいの期間加入されていたかによって、受け取れる年金額が変わってくるからです。

次に、現在のお勤め先では何歳まで働く予定でしょうか。そして、退職時には退職金や企業年金は受け取れそうでしょうか。受け取れるのであれば、具体的な金額を確認してください。確定拠出年金もこの部分に含めて考えましょう。

一方、今後の支出についても確認してみましょう。お子様2人がすでに独立されているということで、今後はそれほどお金がかからないかと思いますが、何か具体的に予定されている、もしくは想定されている、まとまった支出はありますでしょうか。

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