はじめに

「コツコツ貯める」と「運用で増やす」を両立させる

コツコツ貯めていくのが、お金を貯める上では一番無難ですが、低金利の今、確かに寝かせておくのはもったいないとも考えられます。そこで、これから貯蓄する額の一部を運用にまわすことを検討してみてはいかがでしょうか。

例えば、毎月の貯蓄額17万円のうち、とりあえず5万円だけ投資にまわすといった方法です。こうすれば、主体は貯蓄、一部で運用するような形になりますので、コツコツ貯めながら運用で増やすことも検討できます。毎月5万円を投資に回すとしても、年間で60万円になります。仮に年3%で運用できるとすれば、ある程度の運用効果が見込めます。

世界経済成長の果実を受け取るために、世界株式投信に月2万円。今後米国中心に金利が下がる可能性があることを踏まえると世界リートの投資にうまみがあると考えられるため、月2万円。世界経済の不安が増幅した場合に備えて純金積み立て月1万円といった設定はいかがでしょうか。

なお、今ある貯蓄を投資に回すかどうかは、ご相談者の考え方次第です。増やしたいという強い気持ちがないのであれば、そのままでもよいと思います。もし増やしたいという気持ちが強くなってきているのであれば、貯蓄額1000万円のうち500万円や300万円を投資にまわしてみてはいかがでしょう。安定的に収益を得たいという発想であれば、不動産小口化投資や現物不動産による投資も検討可能です。

30代以降の女性、がん保険加入の検討を

ご相談者の場合、ある程度まとまった資金がありますので、病気やケガに備える医療保険は必要ないでしょう。

ただし、ガン保険は加入してもよいと思います。女性の場合、30代以降にじわじわとガンにかかる人の割合が増えていくためです。また、ガンは通院や入院、手術にまとまった費用がかかる可能性があり、その後の仕事の仕方などが変わる恐れもあります。いざという時の備えとしてガン保険は検討しましょう。

なお、終身保険等の死亡保障は、一人暮らしの間は特に必要ないです(万が一の時に親に残したいといった場合は別)。

以上から言えることは、まずは本を読むなり、投資の仕方を学びつつ、月1万円でも5万円でもよいので実際に運用し体感することです。そして運用に対する知識、経験を積んだ上で、貯蓄から投資への流れを作っていく方が無難です。無理せずご自身が運用しても良いと思う金額からまずはスタートしてください。「やっぱりやらない」、それも一つの答えだと思います。

読者のみなさんからいただいた家計や保険、ローンなど、お金の悩みにプロのFPが答える「みんなの家計相談」の過去の記事一覧はこちらから。

この記事の感想を教えてください。