はじめに
アラフィフ世代であれば、子どもが独立した人も多いのではないでしょうか。夫婦2人の暮らしになったので、リフォームしようかと考えることはありませんか?
実はリフォームの潜在需要が最も高いのは50代であることが住宅リフォーム推進協会の調査結果でわかっています。
マンションのリフォームに1,000万円は高すぎる?
筆者はファイナンシャル・プランナーとして主に40代・50代の会社員世帯からご相談をいただくことが多いのですが、今回リフォームをするか悩まれているAさんご夫婦の例をお話したいと思います。
Aさんご夫婦は都内在住、最寄りの駅は私鉄沿線から徒歩10分ほどの住宅街にあり、住環境にも満足されています。最近、末子が社会人となり家を出たため夫婦2人の暮らしが始まりました。
23年前に購入した中古マンションは、まもなく築35年です。子育て中は、教育費の支出もあり、室内の多少の傷みにも目をつぶってきました。しかし、元々インテリアに興味があったAさんですので、間取り変更も含め快適に暮らせるようリフォームをしたいと考えるようになりました。ところが業者に見積もりを依頼したところ金額が約1,000万円と聞いて驚いたそうです。早速、筆者の元に相談にいらっしゃいました。
そのマンション、ずっと住み続けられる?
リフォームの費用については、個人の価値観もありますので、高いか高くないかをここで論じることはやめておきます。今回は、1,000万円をかけてリフォームをするかについて判断材料となるポイントを2つAさんにお伝えしました。
一つ目は今後も住み続けることに問題はないかです。Aさんのマンションは、4階建ての3階部分になりますがエレベーターはありません。ご夫婦ともに登山が趣味とのことで、いままでは問題なく暮らしてきました。
Aさんは現在55歳、夫は56歳です。もちろん健脚と思いますが、この先何が起こるかわかりません。夫婦のどちらか歩行が困難になった場合、住み続けるのは難しくなることは想像に難くありません。未確定な将来のことを考えても答えは出ないかもしれませんが、最悪の事態を想定しておくことも大事なポイントです。
2つ目のポイントは、万が一売却したいと思った時に「売却できるのか?」「いくらで売却できそうか?」です。Aさんが暮らすマンションは築35年です。このまま住み続ける予定ですが、前述の通り万が一住み替えが必要になる可能性もゼロではありません。
その時がいつかはわかりませんが、実は築35年を超えた物件には住宅ローンの借入年数が短くなるなど、利用に制限がつく可能性が高いのです。つまり、購入者にとって買いやすい物件であるかという視点も大事なことと言えます。
なお、立地条件が同じようなマンションで築年数が古い物件価格を調べておくことも一つの参考にはなるでしょう。