はじめに
高速道路の分岐や出口もクルマにおまかせ
同様の技術を使うことで高速道路での分岐のために車線変更が必要な場合、一度の操作で一連の操作を支援してくれます。条件としてはまずカーナビで目的地を設定しておく必要はありますが、カーナビのルート案内に連動して前述した追い越し同様に車両側から“提案”が行われます。後は追い越し時と同様に“承認”することで待機後、ウインカーを出して車線変更し分岐に入っていくという優れものなのです。
カーナビには日本初の凄い技術を搭載
高速道路などで気になるのが分岐や出口への車線変更です。プロパイロット2.0はこれにも対応しています。実はここまでの技術を可能にしたのは日本初となる「3D高精度地図データ」と呼ばれるものがキーとなっています。
搭載されるカーナビは見た目は今までのものとほとんど変わりません。しかしその中身は自車の位置を高い精度で把握します。ちなみにどれくらい正確かというと、従来のGPSを使った状態では誤差10m程度ですが、この技術を使うと前後で1m、左右では5cm(!)程度と一気に精度が向上します。さらにカメラの検知範囲より先の道路の形状も先読みできるので、滑らかな動きを可能にしています。
ハンズオフや車線変更支援機能を使うためにはこの地図が必要なのですが、まだ全国全てを網羅しているわけではありません。実際、今回まだ3Dデータ化されていない高速道路にわざと入ったのですが、その際はハンズオフは使えません。表示も青から緑に変わり、従来のプロパイロットと同じ動きになりました。
ただ、それでもクルマに搭載されている専用の通信ユニットが年数回レベルですが、自動で地図をアップデートしてくれます。「この前通った時は表示が緑だったのに、今回は青でハンズオフが使える」といったことも可能になるのです。
条件は多いが使うと便利を実感
冒頭にも述べましたがプロパイロット2.0は自動運転の定義ではまだレベル2です。レベル2まではハンズオフ中などの事故はドライバーに責任となります。レベル3以上はクルマ側の責任となりますが、法整備も含めてこの領域に入るにはまだまだ時間がかかりそうです。
それでも条件が限定されたりシステムの機能上限もある中、プロパイロット2.0はドライバーの運転時の負担を大きく軽減してくれるものです。まだ価格は高いのですが“未来への次の一歩”は確実に踏み出しました。今後はこれらの機能もアップデートして数多くのクルマに搭載されていくはずです。
このプロパイロット2.0を使えば今まで以上のロングドライブが楽しめるはずです。例えば免許を所有するご夫婦の場合、普段の運転はご主人が行い、高速道路では奥様がプロパイロット2.0を使うことで、ご主人は移動中に休憩を取ることができます。ユーザーによる使い方は様々ですが、新しいクルマの楽しみ方を提案してくれる機能としても魅力的なのです。